対レイカーズ戦後の会見でナースHCは渡邊のプレーぶりに称賛を惜しまなかった（写真をクリックするとインタビュー動画見られます）

3Pショットが戻ってくればいうことなし

　今、唯一結果が伴っていないのは3Pショット。経過を振り返ってみると、なんと2月に入ってからの渡邊は16本のアテンプトで1本しか成功させていない。
これは確かに深刻な数字に違いない。ただ、逆に開き直れる数字でもあるだろうし、直近の試合でもチャンスがあれば躊躇なく狙っており、他の側面での貢献が決して小さくないことを思えば、ここは気長に1本来るのを待つしかないと言ったところではないだろうか。1本くれば立て続けに来る可能性もある。結果は結果で、いずれにしても受け入れるほかないのだ。
いずれにしても、渡邊が3Pショットを毎試合1本でも成功させられるようなら、プレーヤーとしての価値はまたグンと高くなる。それは間違いなくラプターズのプレーオフへの望みを強く後押しする要素にもなるはずだ。
ナースHCはプレーオフ進出をにらんだ対ブルズ戦の意味合いについて、「重要な試合です。間違いなくシカゴとクリーブランド（日本時間11日の日曜日に対戦）は順位が近いチームですからね」と話している。「まだ（プレーオフに）いけると思っています。欠けている人材の復帰が待ち遠しいですね。本来のラインナップ、得点力、経験がいない状態ですから。でも、現状のメンバーはありがたいです。あれだけ頑張ってくれるとうれしくなりますよね。まだまだもがいて一つでも多く、どんな形でも勝てるように頑張るつもりですよ。まだ20試合以上残っていて、バスケットボールをプレーできる機会がたくさんあるのですから」
この部分のナースHCの回答は以下のような流れだった（この部分も上の写真からのインタビュー映像で閲覧可能）。
It’s a big one. Obviously, I think we’ve got a couple big ones this week against the teams right around us, right? Chicago and Cleveland. Uhm…, I mean listen, I’m still hopeful. I think we’re gonna need some of our bodies back. I think, right? We’re missing good chunk of our lineup and scoring and experience, right? But I’m pleased with …, you’re gonna go out there with what we have available and pleased with the way these guys are playing. We’ll just keep fighting and trying to pick any win off any way we can and see if we can stay in the contention. There’s … 20+ games to go. So a lot of basketball to be played.

　ラプターズは今シーズンGリーグのメンフィス・ハッスルで活躍した23歳のフォワード、フレディー・ガレスピーと10日間契約を結んだとの一報が昨日届いている。ガレスピーは渡邊と同じ206cmのフォワードで、今シーズン15試合に出場して10.5得点、10.3リバウンド、1.8アシストに加え2.3ブロックという数字を残している。この中でリバウンドはGリーグ9位、ブロックは同4位の好成績だ。
3Pショットを狙うタイプではなく、またフリースローの42.1％という数字を見ると、ミドルレンジ以上のシューティングには問題がありそうだ。ただしラプターズがチームとして抱えているリバウンドとインサイド・プリゼンスの不足という面では、大きな戦力に化けるポテンシャルを秘めている。
彼の加入がラプターズのフロントラインのローテーションに即刻影響を及ぼすかどうかはわからない。しかしリバウンドやブロックショットでの貢献が期待できる若手の加入は、渡邊にとってもよい刺激となるのではないだろうか。しかもそれが渡邊も所属したハッスルのプレーヤーとは縁も異なもの。何らか物事が好転していくことを期待したくなる。今年の渡邊とラプターズには、まだまださまざまなドラマが待ち受けていそうだ。

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ガレスピーは今シーズン開幕前にダラス・マーベリックスのキャンプに参加し、その後メンフィス・ハッスルでプレーした

取材・文／柴田 健（月バス.com）
（月刊バスケットボール）