NBA

2021.04.12

渡邊雄太(ラプターズ)、日本時間4.12対ニックス戦に敗れるも堅実な活躍ぶり

試合後の会見でナースHCは渡邊に関する質問に快く答えてくれた

 

ディフェンスは期待以上の能力

シューティングも乗ってきた


また、シーズンの初めに渡邊に抱いていた期待値に対してどれくらいのレベルにあるかについてたずねると、長めの回答を得ることができた。切れの良いところごとに訳してナースHCの英文回答とともにまとめてみる。


「彼がどんなときにも全力で取り組んでいるのを見ることができたんです。全体練習でも個人練習でも筋力トレーニングでも、彼は一生懸命でしたし、我々にとって必要だと思っていたものも持ちあわせていそうだとわかりました。切れ込むのがうまく、複数ポジションを守れそうだと」
“Well, I think that what we saw was the kid plays as hard as he can on every moment he is on the floor whether it was in practice or workouts or heck even in the weight room, I mean he was a hard-working individual. We saw a little bit of something we thought we needed. It was a cutter, kind of a multi-positional defender.”

 

「こう言っておきましょう。彼は良いディフェンダーだと思ったのですが、本当に素晴らしくて。今夜も、彼がついていたのは相手の中でも最も優れた連中でした。試合の流れで重要な時間帯に最も優れた連中をガードしていました。ポイントガードも2番ポジションのプレーヤーも、何でも来いです。この部分は期待を上回っていると言えるでしょう」
“I would say this. I thought he was a good defender. But he was really good like he’s really like…, he was out there guarding you know, tonight he was out there guarding some of their best guys. You know in the guts of the game their best guys. And some of those guys were point guards or 2-guards or whatever, you know and so…, I would say that part has been..., exceeded expectations.”

 

「ショットに関しては前にも話したように、シーズンを通じてもう少し入ると思っていたかもしれません。ただし良い動作ができあがっているし調子も上向きです。リズムをつかみ始めて自信もついてきました。今は打ったらどれも入るだろうと思えますが、それも当然です。彼が狙うときに自信を感じられますからね」
“Again, you and I talked about this the other night. I probably expected him to shoot the ball better over the course of the season. But again, the mechanics are good and I think he’s getting there. He’s starting to get a rhythm and more confident. You know it’s like now when he takes one you’re almost expecting them all to go in and that’s the way it should look because you can sense his confidence when he steps into them.”

 

「彼は良い状態ですし、育てていけるよう取り組みます。大きなことを言うべきではないと思いますが、まだ残り試合も多いし、彼にも頑張ってもらって少しずつ成長していってほしいと思います」
“So, he’s doing good. We’re gonna try to build with him. We’re not gonna get carried away here. But we’ve got a bunch of games to play in and keep working him and hope he keeps improving a little by little.”

 

 渡邊はニックス戦が今シーズン50試合目の登録で、出場は35試合目。今シーズンだけで、メンフィス・グリズリーズ時代2シーズンの出場試合数(33)を越えている。
この試合終了時点でのアベレージは平均12.3分の出場で3.2得点、3.1リバウンド、0.6アシスト、0.5スティール、0.4ブロック(いずれもキャリアハイ)。シューティングに関しては、フィールドゴール成功率が42.0%、3P成功率が37.5%、フリースロー成功率が78.6%となっている。また、4月の6試合に関しては平均18.1分の出場時間で7.5得点、4.0リバウンド、1.2アシスト、1.3スティール、0.1ブロックだ。
この期間でシューティングについてもチェックすると、フィールドゴール成功率63.3%、3P成功率35.7%、フリースロー成功率50.0%。ただし直近3試合の好調ぶりは著しく、フィールドゴール成功率80.0%、3P成功率71.4%と跳ね上がる(フリースローは機会がない)。
この日の敗戦にも関わらずラプターズ(21勝33敗)は、順位が一つ上でプレーイン・トーナメント出場圏内にいるシカゴ・ブルズ(22勝30敗)とのゲーム差が2のままで、ポストシーズンへの可能性が残されている。次は日本時間4月14日(水=アメリカ時間13日の火曜日)にホームとしているフロリダ州タンパで行われる対アトランタ・ホークス戦が控えている。

 

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取材・文=柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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