女子日本代表

女子日本代表

2021/05/31

5人制バスケ女子日本代表、東京オリンピックに向けいよいよ佳境

東京オリンピックに向けた女子日本代表のチューンナップが大詰めに差し掛かっている(写真/©JBA)

 

フランス、アメリカ、ナイジェリアを見据えた日本の取り組み

 

 東京オリンピックが予定通りに開催される場合、女子日本代表が初戦の対フランス戦を戦う7月27日(火)まで、すでに2か月を切っている。女子日本代表は6月1日(火)から13 日(日)にかけて味の素ナショナルトレーニングセンターで第5次合宿を行い、その締めくくりとして6月10日(木)、12日(土)、13日(日)にポルトガル代表を迎えて三井不動産カップ 2021(神奈川大会)を行う予定だ。最終メンバーのセレクションとチームのチューンアップの両面で、いよいよ大詰めに差し掛かってきた。
 日本が強化試合で対戦するポルトガルはFIBA ランキング 48 位。同10 位の日本から見れば勝つべき相手と捉えることができる。この対戦に日本は、本番のグループラウンドで対戦するフランス、アメリカ、ナイジェリアを想定して何をするべきなのか。各チームの情報を見つかる範囲で集めてみた。

 

フランス(7月27日対戦予定)
FIBAランキング5位/2016オリンピック/4位/2018ワールドカップ5位



 リオオリンピックではグループフェーズで日本と同じグループAで3勝2敗。この2敗は日本(71-79)とオーストラリア(71-89)に対するものだった。ファイナルラウンドではカナダを破ってベスト4に進出。準決勝では最終的に金メダルを獲得したアメリカに後半突き放され67-86で敗れたが、前半は36-40とほぼ互角。セルビアに63-70で黒星を喫した3位決定戦でも前半は27-27。この大会では試合の入り方が悪かったが第2Qに立て直す傾向が見られ、唯一第1Qをリードして終えたのは日本との試合(19-17)だった。ただし4強入りという成績が示す通り、その後立て直しがきちんとできていた。
 5位に入ったFIBA女子ワールドカップ2018では、グループフェーズを2位で終えファイナルラウンド進出決定戦でトルコを倒してベスト8入り。準々決勝でベルギーに敗れ5-8位決定戦に回ったがそこで勝ち上がった。この大会では通算成績が5勝2敗だったが、5勝のうち3勝でやはり第1Qを劣勢で終えている。

 経験豊富なベテランのオリビア・イポウパ(165cm/PG)、サンドリン・グルダ(197cm/PF)、エレナ・シァク(197cm/C)、そして若手のマリーン・ジョハネス(177cm/SG)らがボックススコアを賑わす名前。現在フランスバスケットボール連盟(http://www.ffbb.com/)で確認できるロスター15人の平均身長は183.9cmあり、上記後グルダとシァクを含め190cm以上が5人いる。YouTubeなどで閲覧可能な映像からは、ジョハネスの縦横無尽なプレーぶりやシァクらビッグマンのフィジカルな強さが確認できる。
 フランスへの対策として想像しやすいのは、まずは序盤に日本のペースをつかむことと、ジョハネスのような有能なプレーヤーに好きなことを楽にさせないことではないかと思う。実際に直接対決で勝利した体験を持つ日本は、格上とはいえメンタル・エッジも持って臨むべきとも思う。そのような点をポルトガルとのテストマッチで表現できるか、一つの見どころになる。

 

【関連記事】 FIBA女子バスケットボールワールドカップ2018から学ぶべきもの - 2021年夏の女子日本代表はどんなチームになるか

 

アメリカ(7月30日対戦予定)
世界ランキング1位/2016オリンピック優勝/2018ワールドカップ優勝

 東京オリンピックで7大会連続の金メダルを目指すチーム。フィジカルなディフェンスとリバウンドからトランジション・オフェンスでどんどん攻めあがってくる上、どのプレーヤーも3Pショットを積極的に狙う。多くのチームはアメリカの攻勢に20分間は持ちこたえられるが、それを40分間できるチームがない。リオオリンピックで対戦した日本はまさしくそのパターンで、前半を終えて56-46というスコアは希望を持てるものだったが、最終的には110-64と圧倒されてしまった。日本は「40 minutes of hell(40分間の地獄)」を乗り切る必要がある。
 アメリカ対策として、40分間ピークパフォーマンスを続けることは非常に重要だ。どこかで谷間を作ることは許されないだろう。ポルトガルとの強化試合は、点差や勝敗の結果とはまったく別に、ティップオフから試合終了の瞬間まで戦い切る訓練の機会にもなるはずだ。

 ここでは今年3月のキャンプにおけるロスターを並べてみたが、昨年のオリンピック予選で活躍したブレナ・スチュアート(193cm/F-C)、ブリトニー・グライナー(206cm/C)ら注目すべきプレーヤーの何人かが参加していない。また、ダイアナ・タラシはつい最近胸部を痛め戦列を離れた。3×3アメリカ代表で東京オリンピックの出場権を得たプレーヤーが含まれている。
 最終的なロスター動向は今後要確認だが、誰が出てきてもまったく脅威は変わらない。一方で、アメリカのプレーヤーは多くが現在WNBAでプレーしているので、個別のスカウティングはしやすいと言える。今シーズンWNBAでスタッツリーダーを確認すると、ティナ・チャールズ(193cm/C)がリーグ全体のトップスコアラーとなっている。シルビア・フォウルズ(198cm/C)はフィールドゴール成功率が1位、リバウンドが4位。アリエル・アトキンス(173cm/G)は3P成功数で、スカイラー・ディギンズ-スミス(183cm/G)はアシストで、ジュエル・ロイドはスティールでトップ5入り…。つまり世界最高峰のリーグとされるWNBAのトップクラスのプレーヤーがそろっている。

 

ナイジェリア(8月2日対戦予定)
世界ランキング17位/2016オリンピック不出場/2018ワールドカップ8位

 ナイジェリアは強敵で、ランキングに騙されてはいけない。逆に、リオオリンピックに出られなかったチームが2018年に世界の8強入りし、昨年のオリンピック予選でアメリカに対し71-76という激戦を展開したことをしっかり見つめられないならば、日本は金メダルを語るべきではないだろう。その試合のロスターに名を連ねたメンバーを並べてみれば、サラ・オゴケ(175cm/G)を除く全員がNCAAディビジョンIでしっかり訓練された「もう一つのアメリカ」と呼ぶべきチームであることがわかる(オゴケもアメリカの大学でバスケットボールをしていた)。
 前述のアメリカとの試合では、スー・バードやグライナーらWNBAのトップクラスがプレーしたアメリカにプレスディフェンスで堂々対抗。前半を終えた時点でのスコアは40-26。リードしていたのはナイジェリアの方だった。強烈なトラップディフェンスが冴えた第2Qは世界ランク1位のアメリカに6点しか許していない。このような結果を受けてチームとして勢いと自信を持たないはずない。

 ビクトリア・マコーリー(193cm/F-C)をはじめこのときは190cm以上が3人おり、平均身長は183.4cm。しかし長身プレーヤーだけではなく、エジーネ・カルー(173cm/G)らフィジカルが強く機動力に富んだバックコートも非常に大きな脅威だ。

 

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