月刊バスケットボール5月号

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2022.08.03

Akatsuki Japan女子日本代表、三井不動産カップ2022(宮城大会)に臨む15人とラトビア代表情報

 9月下旬からシドニー(オーストラリア)で開催されるFIBA女子ワールドカップ2022に向けたバスケットボール女子日本代表のウォームアップとなる、三井不動産カップ 2022(宮城大会)バスケットボール女子日本代表国際強化試合が8月11日(木)、12日(金)にゼビオアリーナ仙台(宮城県仙台市)で行われる。対戦相手はラトビア。同大会は女子日本代表が7月30日から行っている第4次強化合宿の締めくくりとなるとともに、ワールドカップ前に国内で行われる最後の実戦機会でもある。


最終的なワールドカップ出場ロスターに絞り込む前の最終段階と言えるラトビア戦エントリーの女子日本代表候補15人は、公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)から以下のとおり発表されている。


■プレーヤー
※プロフィールは名前、身長(cm)/体重(㎏)、年齢、所属(出身校)
※年齢、所属は 2022 年 7 月30日現在
3 馬瓜ステファニー PF 182/78(23) トヨタ自動車アンテロープス(桜花学園高校)
5 安間志織 PG 161/56(28) UMANA REYER VENEZIA(拓殖大学)
8 髙田真希 PF 185/74 (32) デンソーアイリス(桜花学園高校)
10 渡嘉敷来夢 C 193/85 (31) ENEOSサンフラワーズ(桜花学園高校)
12 朝比奈あずさ PF/C 184/75(18) 筑波大学1年(桜花学園高校)
14 吉田舞衣 SG 175/67(24) シャンソン化粧品シャンソンVマジック(拓殖大学)
15 本橋菜子 PG 164/55(28) 東京羽田ヴィッキーズ(早稲田大学)
18 野口さくら PF 181/68(21) シャンソン化粧品シャンソンVマジック(安城学園高校)
23 山本麻衣 PG 163/58(22) トヨタ自動車アンテロープス(桜花学園高校)
31 平下愛佳 SG 177 71(20) トヨタ自動車アンテロープス(桜花学園高校)
32 宮崎早織 PG 167/57(26) ENEOSサンフラワーズ(聖カタリナ女子高校)
52 宮澤夕貴 SF/PF 183/73 (29) 富士通レッドウェーブ(神奈川県立金沢総合高校)
75 東藤なな子 SG/SF 175/66(21) トヨタ紡織サンシャインラビッツ(札幌山の手高校)
88 赤穂ひまわり SG/SF 184/71(23) デンソーアイリス(昭和学院高校)
99 オコエ桃仁花 PF 182/85(23) 富士通レッドウェーブ(明星学園高校)
追記: 吉田舞衣の「吉」は「土」に「口」
平均身長=177.1cm/平均体重=69.3kg/平均年齢=24.6歳


この顔ぶれは7月の第3次合宿時からスタッフも含め変更されていない。WNBAで戦っている町田瑠唯の名前こそないが、東京2020オリンピック銀メダル獲得、FIBAアジアカップ5連覇達成のメンバーをべ―スに、海外経験を積んだ安間志織や故障から立ち直りワールドカップ予選で代表復帰した渡嘉敷来夢らベテラン、そして若手の有望株を加えた構成になっている。仙台でのラトビアとの2連戦でどのようなパフォーマンスを見せるかが選考に大きな影響を与える可能性があり、三井不動産カップ2022(宮城大会)は見逃せない大会になりそうだ。



☆三井不動産カップ2022(宮城大会)
対戦カード: 女子日本代表 (HOME) vs. 女子ラトビア代表 (AWAY)
日 程: ※記載はいずれも予定
8月11日(木・祝) 開場13:00/試合開始15:00
8月12日(金) 開場17:00/試合開始19:00


今回来日するラトビアは、直近の国際舞台としてはFIBAユーロバスケット2023予選グループJでスウェーデンとイスラエルに勝利し、本戦出場権獲得に向け優位に立っている。同大会で中心となっているのは32歳で身長190cmのセンター、アネテ・シュタインバーガ(Anete Steinberga)で、上記の2試合で平均29.0得点、12.0リバウンド、3.5アシストのアベレージだ。シュタインバーガは2018年のワールドカップでアメリカと対戦した際、3Pショット11本中5本成功を含め一人で30得点を稼いだ実績もある(試合には76-102で黒星)。

 


FIBA女子ユーロバスケット2023予選でのアネテ・シュタインバーガ(写真/©FIBA.WomensEuroBasket2023)

 


チームとしては、このシュタインバーガを軸に3Pショットを比較的積極的に狙ってくるのが一つの特徴。上記の2試合では平均25.5本のアテンプトで、成功率31.4%はそう高くはないものの、ペリメーターでオープンにしておくことはできないチームと言えそうだ。


上記2試合での個別の3Pシューティングを見ると、WNBAのシアトル・ストームから2020年にドラフト1巡目11位指名を受けたシューティングガードのキティヤ・ラクサ(Kitija Laksa)が、12本中8本成功の成功率66.7%と非常に高確率。もう一人、イェヴァ・プーヴェレ(Ieva Pulvere)も5本中3本成功(成功率60.0%)。また、プレーメイカーのエリーナ・バブキーナ(Elina Babkina)は15本中5本成功の33.3%と確率は別として積極性を感じさせる数字を残している。


ユーロバスケット2023予選では、シュタインバーガ、ラクサ、プーヴェレ、バブキーナのいずれもがスターター。今回の来日メンバーはまだわからないが、この面々が来日することになるとすれば、相手を序盤から調子に乗せないこと、特にペリメーターで自由にさせないディフェンス面の奮闘が勝負の上では重要な要素の一つとなりそうだ。

 

 日本は先のオーストラリア遠征で、「世界一のアジリティー」を特にディフェンス面で大いに発揮して相手のミスを多発させていたが、3Pショットとゴール近辺でのフィニッシュにはやや課題を感じさせる出来だった。若手中心で来日したトルコ代表との強化試合では、イニシアティブを奪われることなく試合を進めたが、今回も高さのあるラトビアに対し、これまで同様の破壊的なディフェンスとリバウンドでの粘りは不可欠だ。その上で、オフェンスにおけるロングレンジゲームの安定感とペイントアタック時のフィニッシュ力、またそこに合わせていく連係の深まりや状況判断の良し悪しなどの要素は注目ポイントにちがいない。

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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