月刊バスケットボール5月号

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2021.08.09

WNBAジャパンゲームスがあってもいい - コミッショナーとのQ&A

町田(左)とブリアナ・スチュアート(右)。富士通とシアトルのユニフォームでマッチアップするのも見てみたい(写真/©fiba.basketball)


国際的な価値を高めた日本の女子バスケットボール

 

 東京オリンピックの女子バスケットボールは、5人制も3人制も、想定していた以上の喜びを人々の心に届けたのではないだろうか。各種の媒体での露出状況や反響を見れば、彼女たちの戦いぶりは、バスケットボールファンの範囲を越えたスポーツファン、あるいはより一般的なさらに広い範囲の人々の心を動かしたことが感じられる。

 

 5人制女子日本代表は、ホーバス トムHCとプレーヤーたちを信じていた人にとっては想定内の「惜しい銀メダル」。3×3女子代表は、最終順位こそ目標に届かなかったものの、金メダルを獲得した女王アメリカ代表に勝利した唯一チームとなり、最後の試合も最後の最後まで勝利を信じた結果の5位。どちらも強かったし、国内のみならず海外のファンや競技関係者からの称賛の的となっていた。

 

 スーパースターも誕生した。身長162cmのポイントガード、町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)は、オリンピックにおける1試合あたりの最多アシスト新記録(18本)を樹立し、平均12.5本という好成績で堂々今大会のアシストランキング1位に輝いた。このパフォーマンスとチームとしての銀メダルフィニッシュにより、町田は今大会のオールスター・ファイブ(いわゆるベスト・ファイブ)に選出されている。

 

 町田のパフォーマンスに対する高評価と好意的な反響もワールドワイドだった。NBAのロサンゼルス・レイカーズの大ファンとして知られる、人気ロックバンド「レッドホットチリペッパーズ」のベーシストFLEAが、ソーシャルメディア上で町田のプレーぶりに驚嘆する投稿をして話題になったが、そうした非常に前向きな投稿をしていた人々の中には、WNBAを含む各国の有力リーグ関係者や、その舞台でプレーするスターたちを支援するエージェントなども含まれていた。

 

 Wリーグ公式サイトには、10月12日(火)に開幕予定の第23回Wリーグ(2021-22)シーズンの「NEW AGE 新時代へ。」というスローガンが掲げられている。東京オリンピックにおける女子プレーヤーたちの大活躍は、自らの価値を高めると同時に、まさしく日本の女子バスケットボール界を新時代へとけん引してくれたように思う。


東京オリンピック開幕の1ヵ月半ほど前の6月8日、WNBAのレギュラーシーズンゲームにおける定例の試合前会見に、リーグコミッショナーのキャシー・エンゲルバートが登壇した。その機会に、エンゲルバート氏の日本・アジア市場に対する見方を聞かせてもらったのだが、NBA同様にWNBAもリーグのグローバル化に興味を持っていることがわかった。以下はそのときの問答だ。

 

☆次ページ: エンゲルバートコミッショナーとのQ&A



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