月刊バスケットボール6月号

Wリーグ

2022.04.02

17アシストの町田がゲームを支配。富士通、シャンソンがクォーターファイナルへ進出

 2021-22シーズンのWリーグのチャンピオンを決めるプレーオフが4月2日スタートした。レギュラーシーズンの結果5位-8位、6位-7位が対戦するセミクォーターファイナルの第1試合は富士通(5位)と日立ハイテク(8位)の対戦となった。

 1Q中盤、富士通はディフェンスからリズムをつかむと篠崎澪の3Pシュート、町田瑠唯との2メンゲームから宮澤夕貴、そしてオコエ桃仁花が3Pシュートを立て続けに沈め一気に差を広げる。日立ハイテクの内海知秀HCは試合後、「あそこがキーだった」と振り返ったが、富士通に20-0のランを許してしまい1 Qを16-30と後手に回ってしまった。2Qに入り追い上げを図る日立ハイテクに対し、富士通は要所で3Pシュートを決め、点差を詰めさせない。アグレッシブなディフェンスに加え、前半だけで11本のアシストを記録した町田を起点に8本の3Pシュート、2Pフィールドゴールが72.2%と効率のいい攻撃を見せた富士通が54-36とアドバンテージを握った。

 

 

 後半に入り、日立ハイテクはダラーメ マレム ドイ、谷村里佳がインサイドで強さを見せ、徐々に点差を詰める。3Qのラストプレーでは鶴見彩が3Pシュートを決め57-69と12点差として、最終クォーターに望みをつないだ。

 4Qに入ると日立ハイテクのゾーンに対し、富士通のシュートが決まらなくなる。いい形で放ってはいるのだが、ことごとくリングに嫌われ残り5分を切ったところから、1分56秒でオコエが3Pシュートを決めるまでノーゴール。その間に日立ハイテクが差を詰め、一時は一桁点差まで盛り返したが、最後は富士通ディフェンスの前に得点が続かず反撃も及ばす、87-71で富士通が逃げ切った。

「ずっと試合がなく心配していたが、出だしが良かった。ゲームプランどおり」と富士通のBTテーブスHC。一方で17アシストを記録した町田は「相手のゾーンに対してアジャストが遅れてしまった」と試合終盤での失速を反省する。また3Pシュート5本を含むチームトップの27得点を決めた宮澤も「シュートが入らなくても、ディフェンスでワンストップさせなければ」とクォーターファイナルに向けて修正点を挙げた。

 

 

 続く三菱電機対シャンソン化粧品第2試合はシャンソンが先手を奪う。野口さくら、吉田舞衣らを軸に多彩な攻撃で得点を重ねていく。一方の三菱電機は、インサイドで加点するも、いい形で放つ外からのシュートがなかなか決まらず、1Qで15-8とシャンソンにリードを許した。2Qに入っても、重い展開の続く三菱電機だったが、エースの渡邉亜弥が個人技で何とかゴールをこじ開けていく。ディフェンスでも得意のゾーンが厳しさを増し、点差を少しずつ詰めていく。前半終了間際には小菅由香の3Pシュートが決まり、30-29と三菱電機がついに逆転に成功した。

 

 

 しかし、後半に入り再び波に乗ったのがシャンソン。、シャンソンは佐藤由璃果、千葉歩、野口らがドライブ、アウトサイドと的を絞らせないオフェンスを展開。60-47とリードを持って4Qを迎えた。三菱電機は再びゾーンでシャンソンの足を止める。西岡里紗がインサイドで踏ん張りを見せ、一桁差に詰め寄る。終盤に入り渡邉、根本葉瑠乃の3Pシュートが決まりだし、残り1分30秒あまりで66-69と3点差。その後、三菱電機はファウルゲームで逆転を狙うが、それをしのいだシャンソンが73-72で逃げ切り。昨年のリベンジを果たし、クォーターファイナル進出を決めた。

 シャンソンの李玉慈HCは「今持っている以上の力を出して頑張ってくれた」と選手たちを称え、キャプテンの小池遥は「昨年プレーオフで敗れたリベンジができてうれしく、ほっとしています」と振り返った。

 4月3日のクォーターファイナルでは、富士通がトヨタ紡織と、シャンソンがデンソーと対戦する。

 

(月刊バスケットボール/飯田康二)



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