月刊バスケットボール5月号

Wリーグ

2022.04.10

トヨタ自動車、富士通がまず1勝。ファイナルに王手

 Wリーグ2021-22シーズン プレーオフ セミファイナル初日。まず行われたのはトヨタ自動車 vs. シャンソン化粧品の一戦。レギュラーシーズン6位のシャンソン化粧品は、クォーターファイナルで3位のデンソーにアップセットして勝ち上がり勢いがある。しかし、その勢いを警戒していたトヨタ自動車はそれを上回るアグレッシブさで試合の主導権をつかんだ。1Qから終始リードを奪う展開で、何とか付いていこうとするシャンソン化粧品に対し、ジリジリと差を広げていった。馬瓜エブリンは「泥臭く、一戦一戦全員で戦って行こう」と試合前の会見で語っていたが、その言葉通りにリバウンド、ルーズボールでシャンソン化粧品を圧倒。この試合でトヨタ自動車はオフェンスリバウンド22本、ディフェンスリバウンド30本と計52本のリバウンドを記録。シャンソン化粧品(34本)を大きく上回った。

 

 

 シャンソン化粧品は「リバウンドでアドバンテージを取られてしまい、ブレイクが出せなかった」と、得意の速い展開に持ち込むことができなかったことをこの日指揮を執った鵜沢潤アシスタントコーチも認める。結果、すべてのクォーターでリードを奪ったトヨタ自動車が80-57と快勝。司令塔の山本麻衣も「前半でしっかりと試合を支配できた」と振り返り、明日の第2戦も「出だしから、ティフェンスから入りたい」と語った。

 一方、「泥臭い部分で上回れないと勝てない」とチーム最多の17得点をあげたシャンソン化粧品のキャプテン・小池遥。新型コロナウイルスの濃厚接触者となり、このシリーズに帯同できなかった李玉慈HCに勝利の報告をしたいところだ。

 

 

 続くENEOS vs. 富士通の対決では、ENEOSが序盤を圧倒。宮崎早織、渡嘉敷来夢、梅沢カディシャ樹奈と立て続けに主力選手が得点を重ね12-2とリードを奪った。しかし、「ディフェンスから、自分たちのリズムに持っていくことができた」と町田瑠唯が振り返ったように、富士通が徐々に巻き返すと、1Q終了間際にENEOSを捕らえ、20-18とリードを奪った。得意とする3Pシュートの確率こそ低かったが、ディフェンスで相手のミスを誘い前半で38-27と2桁差を付けた。後半にはENEOSが詰め寄ると富士通が引き離す展開。富士通の絶対的司令塔の町田はENEOSのフェイスガードに苦しめられたが、それでも要所で3Pシュートを決めるなど13得点のパフォーマンスで試合の流れを渡さなかった。富士通は粘るENEOSを振り切り67-58でセミファイナル初戦をモノにした。

 ENEOSは岡本彩也花、林咲希といった主力2人を故障で欠く中で、厳しい戦いを強いられているが、エースの渡嘉敷来夢は「出だしのバスケットを40分間できれば勝てる。自分たちはできると思っています」と次戦でのリベンジを誓った。

 

 

(月刊バスケットボール)



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