月刊バスケットボール6月号

Wリーグ

2022.10.20

Wリーグ開幕戦はトヨタ自動車が勝利。大神HCが初陣を飾る

大神雄子HCが初陣を飾る

 

 10月19日(水)、トヨタ自動車対ENEOSの一戦でWリーグが開幕した。試合は終始トヨタ自動車が優勢に展開し、70-57で勝利。今シーズンから指揮を執るヘッドコーチ対決はトヨタ自動車の大神雄子ヘッドコーチに軍配が挙がった。「このチームで開幕を迎えられてうれしい」と語った大神HC。連覇を果たしたベテランが引退や移籍でチームを離れ、若手中心で迎えた今シーズン。その主力選手たちも日本代表で不在だった。

 9月に行われたオータムカップでは「日本代表候補組(馬瓜ステファニー、平下愛佳、山本麻衣)が抜けていますが、3人はさらにレベルの高いところで、いい経験、挑戦をしているわけですし、ステップアップして戻ってきてくれると思います。残っている選手たちも頑張ってくれています。こちらが止めなければいけないくらい、自主的な練習、スキルであったり、トレーニングであったりといったことに取り組んでくれていて、そうした姿勢には感謝しています」と話していたとおり、代表組が合流して間もないチームが、開幕戦で躍動した。中でもポイントガードの山本麻衣はチーム最多の23得点をあげ、ENEOSが反撃のきっかけをつかもうとするたびに3Pシュートなどでその芽を摘み取った。

 

 

 一方のENEOSは昨シーズンの主力だった 岡本彩也花、林咲希の故障もあり、スターターに移籍してきた長岡萌映子、ルーキーの佐藤由佳を起用する布陣となった。しかし、連係ミスから23ターンオーバーを記録し、自滅する形となった。

 試合後キャプテンであり、大黒柱の渡嘉敷来夢は「(ミスが出ても)切り替えようと言い続けました。でも、切り替えられないくらいミスが続いてしまいました。自分のパスミスから始まりましたし、ゲームを作り切れなかったのは自分の責任です」と悔しさをにじませながら言葉を絞り出した。

 それでもENEOSにとって好材料もある。まだ100%のコンディションではないながら、林が後半からコートに立ったことだ。佐久本智HCは「今日は出場させるのは厳しかったのですが、明日につなげるためにも少し使ってみよう」と送り出した。その期待に応えた林は、最初に放った3Pシュートを決めると、12分余りの出場ながら3本の3Pシュートを含む14得点をあげるパフォーマンス見せた。まだ出場時間は限られるが、アウトサイドからの脅威があると、インサイドの渡嘉敷の存在感もより生きてくる。実際、この試合も林がコートに入った3Q残り4分28秒以降だけを見れば、ENEOSが32-17と優勢に立っている。「終盤のような戦いを、最初からできれば」と佐久本HC。次戦以降の巻き返しに期待したい。

 

(文・飯田康二 写真・石塚康隆/月刊バスケットボール)



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