月刊バスケットボール6月号

女子日本代表はポルトガルに連勝も、3Pシュートの確率はまだまだ

 6月12日、横浜武道館において行われた三井不動産カップ2021バスケットボール女子日本代表国際強化試合(神奈川大会)の第2戦。10日の第1戦では、序盤重苦しい立ち上がりでポルトガルに先手を取られたが、この日の日本は、長岡萌映子がオフェンスリバウンドやファストブレイクで得点を重ねると、スターターに起用された安間志織がドライブで相手を崩し、そこからの展開で三好南穂が3Pシュートを決めるなど、立ち上がりから日本らしさを見せた。代表選考の意味合いを持つこの大会は、その後も多くの選手を起用しながら、ゲームを進めるが、それぞれの選手が持ち味を出し、第1戦で不調だった3Pシュートも、好調とは言えないまでもコンスタントに決まり、38-21で試合を折り返した。

 

3Pを4本決めたオコエ桃仁花


後半に入るとディフェンスのプレッシャーを強めるポルトガルに点差を詰められる場面もあったが、オコエ桃仁花の3Pシュートなどが決まると、日本は落ち着いて立て直し、再びリードを広げ、最後は68-43で2連勝を飾った。ターンオーバーが17と多く、トム・ホーバスHCは、「いいリズムが続かなかった」と反省点を挙げたうえで、「日本はもっといいバスケットボールができます」とアピールした。第1戦と比べ「フィジカルとペイントアタックの部分は良くなった」と、高さに負ける相手に対し、リバウンドはほぼ互角(日本38、ポルトガル40)に渡り合えたのは大きな収穫だろう。
一方、3Pシュートの確率はもっと高いものを目指している日本は、ホーバスHCが戦力として期待するシューターの林咲希の不調(3Pシュート5本中0本成功)は気掛かりな状況。代表のトライアウトでもありプレッシャーがかかる状況ではあるが「オリンピックではもっとプレッシャーがかかる」とホーバスHC。強化合宿、強化試合を通して選手にプレッシャーを与え、それを跳ね除けて、しっかりと自分のパフォーマンスを発揮することを求めている。この大会にエントリーされているのは16人。オリンピックの最終エントリーは12人であり、ここから4人が外れることになる。明日の強化試合最終戦でアピールするのはどの選手になるだろうか。

 

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写真・石塚康隆

文・飯田康二 (月刊バスケットボール)



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