月刊バスケットボール5月号

【ウインターカップ2020】姉の背中を追う西原の背番号「7」知名梨里亜

 

 6年ぶりの出場となった米子南(鳥取)との1回戦を戦った西原(沖縄)の司令塔は、昨年のチームを率いたエースガードの妹だった。彼女の名は知名梨里亜(ちな・りりあ)。現在Wリーグのシャンソン化粧品で活躍する知名祐里を姉に持つ西原期待の2年生だ。

 

 背番号は姉・祐里が着けた「7」を引き継いだ。「(背番号は)姉と同じものを選びました。姉を超えられるような選手を目指していきます」と、知名は笑顔で語ってくれた。1年生だった昨年はインターハイ、ウインターカップ共に出場はかなわなかったため、この試合は彼女にとってスターターとして出場する全国デビュー戦。

 

 当然、緊張もあっただろうがそのパフォーマンスは圧巻だった。20得点、9リバウンド、7アシストというトリプルダブルに迫るスタッツは、とても初めての全国大会とは思えない高水準なもので、彼女の堂々としたプレーにけん引された西原は103-90で1回戦を突破。縦横無尽にコートを駆け回り、ドライブにジャンプシュートに要所で活躍する姿、そしてスピード感あふれるプレーの数々は姉・祐里を彷彿させるものがあった。

 

「昨日、お姉ちゃんと電話で話をしました。昨年のお姉ちゃんの代は1回戦で負けてしまったので、『まずは一回戦を突破できるように頑張れ』というメッセージをもらいました」と知名。目指すべき存在である姉からのメッセージが彼女に大きなエネルギーを与えたのではないだろうか。

 

 次戦へ向けては「出足が悪く、ディフェンスも前から当たっているのに機能していなかったので、明日はディフェンスから流れを作れるようにしたい」と気を引き締めている。

 

 西原は2回戦で聖カタリナ学園(愛媛)と長崎西(長崎)の勝者と対戦する。上々の全国デビューを果たした知名。コート上で一人異彩を放つ彼女の華やかなパフォーマンスは、ここから先より洗練されたものになっていくはずだ。そんな彼女と共に西原がどこまで勝ち上がるのかは、トーナメントの見所の一つと言っていいだろう。

 

取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)



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