月刊バスケットボール6月号

岡田侑大(信州ブレイブウォリアーズ) - FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window1男子日本代表候補名鑑

©JBA

岡田侑大 (23) SG 189cm/80kg 信州ブレイブウォリアーズ(拓殖大学/京都府)
キースタッツ(Bリーグ): G=12(12) M=27:42 P=19.1 FG=51.3% 3P%=39.8% FT%=73.5% R=2.7 A=3.2 TO=1.8 S=0.75 B=0.33

G=出場試合数(先発回数) M=出場時間 P=得点 FG%=フィールドゴール成功率 3FG%=3P成功率 FT%=フリースロー成功率 R=リバウンド数 A=アシスト TO=ターンオーバー S=スティール B=ブロック


岡田は今回の代表候補24人中でトップスコアラーであるだけでなく、今シーズンのB1における日本人全体でも最高の平均19.1得点を残している。少数点2桁というわずかな差で外国籍も含めた全プレーヤーのトップ10入りに届いていないが、この数値は富山グラウジーズでプレーした昨シーズン(平均9.7得点)からは倍増で、信州での期待に大いに応える成長ぶりと言える。


フィールドゴール成功率51.3%もキャリアハイの数値で、今回の24人中では、信州のチームメイトで出場が1試合のみのマシュー・アキノを除く全員の中で、比江島 慎(宇都宮ブレックス)と並ぶトップタイ。3Pショットは、成功率がほぼ40%のレベルであると同時に成功数が全24人中のトップだ。プレーメイク力も高い岡田はコンボガードとしての起用も考えられ、日本代表での活躍を期待したくなる要素を多く持っている。


こうした活躍ぶりが認められ、今回フル代表候補として初めて召集を受けた岡田。11月19日に行われた強化合宿中のズーム会見では、「トップチームに呼ばれたのは初めてで、本当にうれしかったです」と話して喜びを表した。「今までテレビとかで見てきた選手たちと一緒に練習できるので、精いっぱい頑張りたいです」という言葉は、自らもオールスター投票の中間発表で上位に名を連ねている現状(B.WHITEの7位)とは似つかわしくないが、西田優大とともに24人中最年少の学年(実際の最年少は西田優大)らしい初々しさも感じさせていた。

 

合宿期間中のズーム会見での岡田は初々しい若者らしさの中にも自信と意欲を感じさせていた(©JBA)


東京2020オリンピックの日本代表の試合からは良い刺激を得ていた様子だ。同時に、「もっと自分が入ったときには、アグレッシブに攻めていきたいなと、見ていて感じました」という言葉からは、代表入りと世界での活躍に向けた意欲も伝わってくる。トム・ホーバスHCの下で国際舞台に臨む機会を得ていければ、今後どれだけ成長するか、そのポテンシャルは無限大だ。


自信の役割については「信州では攻めることが一番の役割ですけど、代表の練習に参加して、自分に求められている仕事が違ってくるなとは思っています」と話している。「それをしっかりこなせるようになりたいと思います。信州では自分でボールを持ってプレーする時間が長いですが、トムさんのバスケットはパス&ランで、一人一人のボールを持つ時間を少なくしたいというのがチームのルール。その中で自分の力を出さなければいけないのですが、一つレベルの上の選手になるには必要なことなのかなと思います」


得点するにはボールを持たなければならないが、保持する時間を短くするにはキャッチとともに起動するのでは遅く、オフェンスの流れを止めてしまう。それ以前に次に起こることがキャッチの前にイメージでき、その状況に対する判断ができ、さらに的確に体が動くことが求められるだろう。このスタイルに対応し、B1での岡田らしさを発揮できれば日本代表にとっては当然大きな武器となる。


岡田自身もそうなれることを目指し、新たな挑戦と向き合っている。「自分の持ち味は得点能力です。3Pショットも打ててドライブもできるというのが自分の強みだと思うので、そこをしっかりやっていきたいと思います」

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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