月刊バスケットボール5月号

藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース) - FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window1男子日本代表候補名鑑

©JBA


藤井祐眞(29) PG 178cm/75kg 川崎ブレイブサンダース(拓殖大学/島根県)

キースタッツ(Bリーグ): G=14(14) M=26:43 P=12.5 FG%=48.3% 3P%=31.5% FT%=80.8% R=2.3 A=6.4 TO=1.9 S=1.86 B=0.00

G=出場試合数(先発回数) MIN=出場時間 P=得点 FG%=フィールドゴール成功率 3FG%=3P成功率 FT%=フリースロー成功率 R=リバウンド数 A=アシスト TO=ターンオーバー S=スティール B=ブロック

 

 今シーズン、川崎ブレイブサンダースのキャプテンとなったポイントガードの藤井は、これまでどおりアグレッシブさが十分表現された数字を残している。最も重要なのは、14試合を消化した時点でチームが11勝3敗で東地区の首位に立っていることだろう。個人としても平均6.4アシストと1.86スティールがともにB1全体の3位。好成績が高評価となり、FIBAワールドカップ2023アジア地区予選に向けた日本代表候補に、久方ぶりに声がかかった。


「メンバーに呼んでいただいた以上、全力で『川崎』の名を背負って頑張っていきたいと思うので、みなさん応援よろしくお願いします」というのが、チームを通じての当初のメッセージ。強化合宿中の11月19日に行われたズーム会見では、「非常に楽しみですし、中国戦があるのでそのメンバーに入れるように頑張りたいと思います。中国に勝てるように、日本代表の力になれるように頑張っていきたいと思っています」とあらためて意欲を語っている。


藤井は2015年の第28回ユニバーシアードに向けた日本代表でキャプテンを務めた。大会自体は、24チーム中の21位と世界の厳しい壁にぶつかったような結果に終わったが、「前から積極的にボールマンプレッシャーをかけたら意外とミスしてくれたので、それを継続したことで良い試合につなげられました」という当時のコメントが示すとおり、自身の運動量と機動力が通用したことに手応えを感じて帰国している。「相手も動かしながらパッシングゲームをし、ボールも人もどんどん動くバスケットをしていけばフリーになるケースも多かったです」


このときのメンバーには、今回の代表候補に名を連ねているベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷、当時東海大学4年)と原 修太(千葉ジェッツ、当時国士舘大学4年)がいた。翌2016年の第38回ウィリアム・ジョーンズカップでも、藤井は代表の一員としてプレーしたが、このときは富樫勇樹(千葉ジェッツ)、野本建吾(群馬クレインサンダーズ)、岸本隆一(琉球ゴールデンキングス)、張本天傑(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)が一緒だった。

 

11月19日の会見で日本代表への意欲を語る藤井(©JBA)


フリオ・ラマス氏がヘッドコーチに就任した2017年以降、東京2020オリンピックまでの間は、代表活躍が遠のいたが、その間に藤井はBリーグでベストファイブやベストディフェンダー賞、ベスト6thマン賞、ベストタフショット賞など数々の勲章を手にし、スターの座を確立した。「ラマスさんの体制になってからある程度メンバーが固定されていましたし、ワールドカップ、オリンピックの出場をかけて戦ってきたメンバーだったので、そこでチーム力を高めていった方が良いと思って日本代表を応援していました」と、藤井はその間の代表に対する思いを振り返った。

 

 久方ぶりの招集には積極的な思いで臨んでいる。「トム・ホーバスHCになってメンバーもガラッと変わり、これまでのメンバーが5人しか残っていません。僕も気持ちをリフレッシュして、楽しんでやれたらなという気持ちです」。Bリーグでのチームと個人の成績を見ると、藤井が楽しめれば日本代表には良い結果がついてきそうだ。

 

文/柴田 健(月バス1.com)

(月刊バスケットボール)



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