月刊バスケットボール5月号

日本代表

2021.11.27

須田侑太郎(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ) - FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window1男子日本代表候補名鑑

©JBA

須田侑太郎 (29) SG 190/87 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(東海大学/北海道)
G=12(10) M=20:58 P=8.3 FG%=37.0% 3P%=36.8% FT%=84.6% R=2.5 A=1.8 TO=1.2 S=0.42 B=0.00

G=出場試合数(先発回数) M=出場時間 P=得点 FG%=フィールドゴール成功率 3FG%=3P成功率 FT%=フリースロー成功率 R=リバウンド数 A=アシスト TO=ターンオーバー S=スティール B=ブロック

 

 須田はこれまでに、Bリーグの前身となったNBLでリンク栃木ブレックス(現宇都宮ブレックス)のルーキーだった2014年に、“ヤングジャパン”の呼称とともに組まれた日本代表チームで、『東日本大震災復興支援ゼビオチャレンジカップバスケットボール男子日本代表国際親善試合2014~近畿バスケットボール100周年記念大会~』という国際親善試合に出場したことがある。このチームは同親善試合向けに若手有望株で組まれた特別チーム。今回の代表候補にも召集されている藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース)、ベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)、野本建吾(群馬クレインサンダーズ)もチームメイトだった。

 

 須田はこのイベントで来日したスプリングフィールド大学(アメリカ)との3試合に出場し、平均13.7得点、2.3リバウンド、1.7アシスト、1,0スティール、0.7ブロックの成績を残し、2勝1敗の成績に貢献した。3試合中2試合で得点がチームハイだった(1試合はトップタイ)。


日本代表という立場になるのはこのとき以来。フル代表はもちろん初めてとあって、召集された感想を求められると喜びの思いが自然な言葉で表現された。「今まで代表活動には縁がなかったので、驚きも少しありながら、素直にうれしいです」。サイズや役割の似た優秀な人材同士の競争で、非常に激しい今回のトライアウトで、「ウイングがこの合宿では多いので、自分の持ち味アピールできるように、自分のパフォーマンスをしっかり発揮できるようにやっていきたいなと思っています」と気を引き締めた。


ライバルたち同様、須田にもトム・ホーバスHCが必要としている3Pショットの武器がある。また、「トムさんのバスケットは自分にもあっています。ドルフィンズのバスケットに少し似ている部分もあるので、自分の持ち味を発揮しやすいかなと思っています」と話し、代表への貢献に自信も見せている。


サイズのあるラインナップが予想される中国代表との対戦を直近に控えたトライアウト。それだけに、フィジカルな戦いにも意欲的だ。「受け身になってしまうと押し込まれてしまうと思うので、オフェンスでもディフェンスでも自分から仕掛けていくとか、本当に速く、“ヒットファースト”で先に体を当てて自分から仕掛けていきたいです」と、先手を取る意識を強調する。これはホーバスHCもたびたび言うことなのだという。


オフェンスでは持ち味の3Pシューティングを存分に生かしたい。当別な舞台だった2014年の国際試合では、3試合で16本中7本成功(43.8%)の記録が残っている。勝負強さをこの機会に発揮できるかどうかも須田にとってはカギかもしれない。

 

 「スペーシングをしっかりとって、積極的に3Pショットを狙っていく。サイズのミスマッチはありますけど、逆にそこをいかして3Pショットを決めきれれば先手が取れると思います。その中でペイントアタックし、パスを散らしてよいシュートをチームで取っていければ良いのではないかと思っています」というのがサイズのある相手の攻略イメージ。そのイメージを実際に表現できる機会を虎視眈々とねらっている。

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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