月刊バスケットボール6月号

野本建吾(群馬クレインサンダーズ) - FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window1男子日本代表候補名鑑

©JBA

野本建吾(29) PF 201cm/101kg 群馬クレインサンダーズ(青山学院大学/兵庫県)
キースタッツ(Bリーグ): G=14(0) M=8:07 P=2.5 FG%=48.5% 3P%=25.0% FT%=50.0% R=1.4 A=0.9 TO=0.9 S=0.21 B=0.07

G=出場試合数(先発回数) M=出場時間 P=得点 FG%=フィールドゴール成功率 3FG%=3P成功率 FT%=フリースロー成功率 R=リバウンド数 A=アシスト TO=ターンオーバー S=スティール B=ブロック

 

 Bリーグのフロントラインで帰化枠以外の日本人タレントを選出するためには、単純に数字を比較することだけでは本来のポテンシャルを見過ごしてしまうことになる。なぜなら多くのチームがそのポジションを外国籍の有能なビッグマンで強化しているために、レベルの高い日本人プレーヤーであってもコートに立っていない時間帯があるからだ。


そうしたプレーヤーの一人に野本がいる。今シーズン所属の群馬はフロントラインにオンドレイ・バルヴィン(C、271cm)、ジャスティン・キーナン(PF/C,201cm)、マイケル・パーカー(PF、200cm)と3人の有能な外国籍プレーヤーをそろえており、野本をスモールフォワードとパワーフォワードで登録し、サイズとスキルセットをフレキシブルに活用している。それでも今回招集された24人の中で、野本はマシュー・アキノに次いでBリーグでの平均出場時間が短いプレーヤーとなっている。


ただし群馬が戦ったここまでの14試合すべてに出場していることからも、チームから信頼を得られていることは明らかだ。昨シーズンの秋田ノーザンハピネッツでも出場は58試合。パンデミックの影響で外国籍プレーヤーの合流が遅れたり、ビッグマンの故障欠場などもあった中で、平均出場時間も今シーズンより多く平均14分36秒得られていた。


トム・ホーバスHCはの下について、「シュートはあまりないがビッグマンとしてエネルギーを試したい。自信を持っている」と今回の代表合宿に招集した理由を語っていた。


過去には2014年、2016年にフル代表に呼ばれた経歴があるほか、ユニバーシアード日本代表 には2013年と2015年の2度選ばれている。2017年には日本代表候補重点強化選手、U-24日本代表のほか、FIBA ワールドカップ2019 アジア地区1次予選日本代表候補にも名を連ねた。3×3 でも、2019年に東京2020オリンピックに向けた日本代表候補(2019年)入りしている。


5年ぶりのフル代表候補入りと強化合宿参加について野本は、「今まで頑張り続けてきてよかったなと思える時間だと思います。これから自分の持ち味である機動力を生かして、しっかりいち早く合宿にアジャストしていけるように頑張っていきたいと思います」と抱負を語り、ホーバスHCが求めている状況判断にも心がけたいと意欲的だ。「大きく変わらずに今まで通り、自分らしくアグレッシブにプレーし続けたり、ディフェンスでハッスルして存在感を出していけたら良いかなと思います。5年ぶりに代表に戻ることができ、今まで頑張っていた5年間でどれだけ成長できたかを示すチャンス。頑張りたいと思います」


試合に出場している時間帯はもちろんのこと、日ごろの練習から野本はハイレベルでフィジカルな外国籍プレーヤーとマッチアップする機会をコンスタントに得られている。「Bリーグで経験値を積み上げられました。状況判断の部分で成長できていると思います」とのコメントからも、それがホーバスHCの言うように野本が自信を深める結果につながっていることが感じられる。

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



PICK UP