月刊バスケットボール5月号

森川正明(横浜ビー・コルセアーズ) - FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window1男子日本代表候補名鑑

©JBA

森川正明(29) SF 191cm/86kg 横浜ビー・コルセアーズ(愛知学泉大学/福井県)
キースタッツ(Bリーグ):G=14(14) M=30:09 P=13.3 FG%=45.3% 3P%=46.2% FT%=81.1% R=2 A=3.1 TO=2.1 S=0.21 B=0.07

G=出場試合数(先発回数) M=出場時間 P=得点 FG%=フィールドゴール成功率 3FG%=3P成功率 FT%=フリースロー成功率 R=リバウンド数 A=アシスト TO=ターンオーバー S=スティール B=ブロック

 

 森川は今回招集された24人の中で出場時間が最多で、唯一平均30分を超えている。平均得点、フィールドゴールと3Pショットの成功数・アテンプト数、平均アシスト数がいずれもフロントラインの12人中でトップの数字だ。オールラウンダーとして、得点源として、活躍を期待できる。


代表合宿参加は今回が初めて。「光栄なこと」と語り、「年齢を考えると30になる年で初選出されるという意味を考えなければいけません。この合宿に経験するためだけに来たのではなく、しっかりメンバーに残って代表戦を戦ってみたいという気持ちが強いです」と意気込みを見せている。日本とフィリピンのハイブリッドである森川は、グループラウンドを沖縄とジャカルタ(インドネシア)で、決勝トーナメントをマニラ(フィリピン)で行うFIBAワールドカップ2023に向けた今回の代表招集に特別な縁も感じているかもしれない。

 

 トム・ホーバスHCは、今回のメンバーにはシューターと呼べるスペシャリストがいないという趣旨のコメントをしているが、シーホース三河に在籍した2019-20シーズンに、3P成功率61.3%という高確率を残したこともある森川は、それに準じた役割も期待できる人材だろう。


本人は自らのポテンシャルに自信を持っている。特にシューティングについては以前からそうだったという。三河時代に、後に東京2020オリンピックに出場することになる比江島 慎(現宇都宮ブレックス)や金丸晃輔(現島根スサノオマジック)ら、意識の高い実力者の傍らでそのプレーを観察し、競い、追いかけた時間には意味があったようだ。「シュート力が劇的に変わったかと言えばそうではなく、三河時代にはプレータイムがなかったですけど、元々シュートに自信がありました」というのが本人のコメント。近年はシュート力よりも、アグレッシブさや状況判断力の向上の面で成長を感じているという。


横浜に移籍したばかりだった昨シーズンは、出場時間が一気に約3倍(9分29秒→27分10秒)に増え、それとともに平均得点も倍増(4.3→9.5)。今シーズンはそこから数字を上昇させている。実戦に身を置ける横浜の環境で、それまでのポテンシャルが実力として示された始めた。「横浜でプレータイムをもらえるようになって、オプションも自分で攻めていけるような、フォーメーションだとかを徐々に任せてもらえるようになりました。試合を経験していくたびに、自分の課題とか良さをフィードバックして次の試合に生かすことができてきているので、今のプレーにつながっているのかなと思います」と、本人も手応えを感じているようだ。

 

代表合宿中の11月19日に行われたズーム会見での森川(©JBA)

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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