その他の海外

その他の海外

2021/03/16

ジェフ・ウォルツが語る今野紀花 - ルイビル大女子バスケットボールチームヘッドコーチインタビュー(3)

ルイビル大女子バスケットボールチームの2020-21シーズンは、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響もあった中でここまで26試合をプレーでき、所属カンファレンスのACCにおいてレギュラーシーズン優勝とチャンピオンシップ準優勝という好成績を収めることができた。インタビューの最後に、シーズンのクライマックに向け再び上り調子になっているチームの様子をジェフ・ウォルツHCに聞かせてもらった。

 

ウォルツHC率いるルイビル大は今シーズン、ACCレギュラーシーズンのチャンピオンに輝いた

 


――チームとして全米1位になり、現在は6位ですが、ランクが下がったことでチームに変化はありましたか?
ウォルツ いえ、日曜日は単純によい試合ができず、フロリダ州大に負けてしまいました(59-68で今シーズン2つ目の黒星)。負ければランクが下がります。3位、そして6位と…。ここからいろいろと頑張らないと。次の日曜日もまた大事な試合が控えています。ノートルダム大が相手で、勝てばカンファレンスチャンピオンですから、言うまでもなく大事な試合です。
 この2日間は休みで練習がありませんでした。その間は皆には学業をきちんとやって体を休めてもらい、いろいろ話すのは明日ですね。喜びを感じながらプレーすること、情熱をもってプレーすること、そういったことの重要さ、お互いのためにプレーすること。そうならないといけません。こういったことができれば、今シーズンのエンディングは特別なものになるでしょう。

 

――ルイビル周辺のコロナの状況はどんなものでしょうか?
ウォルツ 数字的には落ち着いています。陽性率が下がっているのはよいことですね。皆マスクをつけていて、練習中もそうしています。コーチたちも同じです。チームとしてあらゆるガイドラインとプロトコルを遵守して、皆の安全をできる限り優先しています。難しいことですね。

 

――カンファレンストーナメントが行われるかどうかは現段階では確定事項ではないとのことですね。
ウォルツ そうですね。でも我々はカンファレンストーナメントが行われる前提ですし、日程もそのままです。NCAAトーナメントへの自動的な出場権を得るのはACCトーナメントの勝者だと認識していますよ。
 ただ、私たちは20勝2敗(ACCトーナメントを終えた段階では23勝3敗)の成績なので、すでに出場は確実です。できるだけ良いシードを得られるように頑張るということですね。

 

――そのNCAAトーナメントですが、すべて勝ち切る可能性をどう見ていますか?
ウォルツ ウチが勝つチャンスも(ほかの強豪チームと)同じだけあります。でも、これまで以上に燃えるようなプレーでフィジカルに、リバウンドを頑張らないといけません。力があるし、全員この機会を楽しみにしていると思います。

 

 

 ルイビル大が今シーズン黒星を喫した相手はノースキャロライナ州大(レギュラーシーズンとカンファレンストーナメント決勝で2度敗れた)とフロリダ州大の2チーム。このインタビューは、フロリダ州大に敗れた週末の後の火曜日だったが、ウォルツHCから下を向くような言葉を聞くことは一切なかった。約20分間の会話で感じたことは、ウォルツHCがプレーヤーに関してとことんポジティブな捉え方をしているということだ。こんな点が課題だ、この辺を改善してほしい、といったことさえ、「彼女は今〇〇を頑張っている」という表現になる。
 3月7日にACCトーナメント決勝で敗れた直後のコメントにはさすがに悔しさがあふれていたが、「私たちのディフェンスの頑張りは素晴らしかった。相手が何をするにも難しくしていましたよ。決めた相手を褒めなければいけません」と自チームの健闘を称えることを忘れなかった。そのような姿勢から、プレーヤーに対して「ルイビル大に入った時点で君は全米の最高峰レベルに立っているのだ」という圧倒的な自信を持っていることが伝わってくる。プレーヤーもそれを自覚することだろう。
 上記のコメントを含め、ウォルツHCがチームの番記者と語らう様子はフェイスブックを介して日本でも視聴できる。そこでももちろん今野に関する話題が出てくるのだが、そこで聞かれるのも、出場時間が短かった試合の後で自身の起用方法を振り返って「もっと出してあげられたかもしれなかった」とフォローしたり、得点面で大きな貢献がなくても「あのオフェンスリバウンド1本が効いた」と細かな点まで前向きに評価するコメントが続く。もしもそれらを耳にすれば、そのプレーヤーが誰であれ、コーチが自分を買っていることを理解して前を向けるに違いない。
 それが全米で王座をねらうヘッドコーチの本質なのかもしれない。ジェフ・ウォルツHCは徹底して前向きな姿勢で教え子に勇気を与えている。その中で今野がこの先どんな成長を見せるか。飛躍の本番はこれからだ。

 

アイキャッチ画像/UofL Athletics
取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)


あなたはどう思う?コメント書く

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください