Bリーグ

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2022/05/24

トライフープ岡山、念願のB2昇格にあと1勝

 スクール事業を発端に土台を固め、2015年に3x3のプロチームを編成し、2018年に5人制チームも立ち上げ翌2019年にはB3参入。以来3シーズン、B3で常に上位を維持してきたトライフープ岡山が、飛躍のチャンスを迎えている。念願のB2昇格をかなえるため、5月28日(土)に東京体育館で行われるB2昇格決定戦2021-22に臨むのだ。

 

5月23日にはチーム全員で金山寺に足を運び、B2昇格決定戦の必勝を祈願した(写真/©TRYHOOP OKAYAMA)

 

3シーズン、B3で上位を維持してきた


 B3での3シーズンは、すべてが順調とは言わずとも、最初のシーズンから勢いを感じさせていた。2019-20シーズンは、地元出身で現在比留木謙司HCのアシスタントを務めている大森 勇が、「岡山にプロチームができるなら」と一時の引退からコートに戻り、特に序盤戦でプロ経験の少なかったチームをけん引。コロナ禍でどのチームにとっても難しかったシーズンで、23勝17敗(勝率.575)と勝ち越して12チーム中の5位と健闘した。翌2020-21シーズンは30勝10敗(勝率.750)の好成績で2位に躍進。地域リーグ時代から在籍している小堺 翼が成功率47.5%(162本中77本成功)という高確率でB3の3P王に輝いた。

 

昨シーズンの3P王、小堺 翼は今シーズンのキャプテンを務めた(写真/©TRYHOOP OKAYAMA)


 昨シーズンの2位という成績と、同シーズンに優勝したアイシンアレイオンズが今シーズン限りで活動を終了するという事実により、岡山は28日の昇格決定戦への出場権を手にした。しかしその事実とは無関係に、小堺が新キャプテンとしてけん引した今シーズンのトライフープ岡山もハイレベルなバスケットボールを展開してきた。成績としては29勝14敗(勝率.674)で15チーム中の5位フィニッシュ。コロナ禍の影響で、開幕節のアイシンとの2試合を含め13試合が不成立となる先行きの見通しがききづらいシーズンだったが、まずまずの結果を手にビッグゲームに臨むことができる。


 一番の魅力は高い破壊力を誇るオフェンスだろう。平均23.8得点で得点王に輝いた202cmのセンターフォワード、クリストファー・オリビエを中心に、今シーズンはクラブとしてこれまでで最高の平均90.4得点をたたき出した。これは優勝した長崎ヴェルカ(101.4得点)に次ぐリーグ2位の数字。シューターの向井祐介もリーグ3位の3P成功率42.1%を記録しており、インサイドとペリメーターに計算できるタレントがそろっている。向井はフリースロー成功率91.7%がリーグ1位であり、ディフェンダーが不用意にクローズアウトしファウルを犯せば自動的に3点を計算できるという大きな強みもある。

 

クリストファー・オリビエは今シーズンの得点王に輝いた(写真/©TRYHOOP OKAYAMA)

 


 ロングレンジ・ゲームでは、203cmでレフティーのパワーフォワード、ジェフリー・パーマーも38.8%と高確率だ。さらに、規定未満でランキングに名を連ねていないが、3P成功率で向井をしのぐ43.8%を記録した身長188cmのスモールフォワード、川満寿史が終盤の5試合で50.0%(18本中9本成功)と良いタッチを見せていたことも、昇格決定戦に向けて心強い材料にちがいない。


 ディフェンスでは、チームでプレーヤーとして唯一の岡山出身者でポイントガードを務めている岡田陸人の、運動量と熱量のある粘り強いプレーも目を引く。地元メディアとのインタビューでは「地元の子どもたちの手本になって、その子が頑張ってくれればすごく励みになる」という趣旨のコメントをしていた。自身が子どもの頃には存在しなかった県下のプロチームでプレーする責任を受け止めての活躍で、チームにエナジーをもたらす存在だ。


 NBAでのプレー歴もある206cmのセンターフォワード、チュクゥディエベレ・マドゥアバムのリム・プロテクターとしての存在感も大きい。平均1.42ブロックはリーグ3位。ブロックとして数字にならずとも、ペイントアタックを試みたペリメーターのプレーヤーが一瞬フィニッシュを躊躇するだけでもマドゥアバムがコートに立つ意義がある。

 

向井祐介の3Pショット、あるいはスペーサーとしての役割はB2昇格決定戦での一つのカギとなるだろう(写真/©TRYHOOP OKAYAMA)

 

オールラウンドな活躍でチームを支えたジェフリー・パーマー(写真/©TRYHOOP OKAYAMA)

 

 

アルティーリ千葉との一発勝負

 

 このチームが5位フィニッシュだった事実は、B3の2021-22シーズンがいかにハイレベルだったかを感じさせる。今シーズンを37勝7敗(勝率.841)の2位で終えたアルティーリ千葉と対戦するB2昇格決定戦も、間違いなくハイレベルな熱戦になるだろう。両チームは今シーズン4度対戦していずれもA千葉が勝利したが、直接対決の昇格決定戦を前にした今、その4試合の最終的な結果に意味はない。一発勝負の昇格決定戦では、戦い方もプレッシャーのかかり方もまったく異なってくるからだ。捉えるべき意味合いは、どちらのチームにも4度スカウティングの機会があったということだろう。いくつか傾向として見えた事象があり、両チームには対抗策を講じる時間が十分にあった。

 

熱のこもったコーチングでチームをリードする比留木謙司HC(写真/©TRYHOOP OKAYAMA)


 トライフープ岡山は、シーズン最終週のベルテックス静岡との2試合にも黒星を喫しているが、比留木HCは最終戦を終えた後に「負けていい試合など一つもないが、次に向けケガなく終えられたことは良かった」と切り替えて前を向くコメントを残している。「かなりいろいろなことを試したが、選手たちも良く応えてくれた。昇格決定戦まで時間があるのでより自分達を成⻑させたい」。キャプテンの小堺も、「多くの課題が見つかった週末となりましたが、昇格決定戦に向け修正していきたいと思います。難しいシーズンとなりましたが残り1試合をしっかり勝って、皆さんとB2に行きたいと思います!」と決意を語っていた。


 トライフープ岡山というプロチームの誕生で、岡山県内のバスケットボールに向けられる関心も高まったのは間違いのないところだ。その熱量を一段上のレベルにはね上げるだろうB2昇格。B3参入からわずか3年、あと1勝でそれが現実のものとなる。

 


文/柴田 健(月バス.com)

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