月刊バスケットボール5月号

日本代表

2021.02.03

東京2020バスケ、日本は男子がアルゼンチン、スペインと、女子はアメリカ、フランス、ナイジェリアと同組

国際バスケットボール連盟は2月2日、スイスのミー(Mies)で東京2020オリンピックのバスケットボール競技グループフェーズの組み合わせ抽選会を開催し、男女出場12ヵ国ずつのグループ分けを発表した。

文/柴田 健(月バス.com)

 

2018年のFIBAワールドカップ予選での渡邊雄太と馬場雄大。現在は共に海外でプロとして活躍中だ(写真/石塚康隆)

 

強豪国相手のグループC、しかし明るい要素も多い男子代表


日本代表は男子(FIBAランキング41位)がスペイン (同2位)、アルゼンチン(同4位)およびFIBA男子オリンピック世界最終予選(OQT)カウナス大会勝者(2021年6月29から日7月4日まで開催)と同じ、グループCでプレーする。
アルゼンチンとスペインは2019年のFIBAワールドカップ決勝進出チームで、実質的にバスケットボールの国際舞台における最強の2ヵ国。また、OQTカウナス大会から勝ち上がってくるのはリトアニア(同8位)、韓国(同30位)、ベネズエラ(同20位)、ポーランド(同13位)、スロベニア(同16位)、アンゴラ(同32位)のいずれか1チームだが、日本の立場からはどこになっても格上の強敵だ。グループフェーズ突破には、これまでにない準備と戦い方を実践する必要がありそうだ。Bリーグ開幕や渡邊雄太(トロント・ラプターズ)、八村 塁(ワシントン・ウィザーズ)、馬場雄大(豪NBLメルボルン・ユナイテッド)ら海外組の活躍など、わずか数年前には想像できなかったような明るい材料も多い。歴史に残る戦いに向けた奮起に期待が集まる。

 

NBAでもコンスタントに2ケタ得点を記録する実力者に成長した八村 塁(写真/石塚康隆)

 

全員のステップアップで金メダルを目指したい女子代表


一方女子(FIBAランキング10位)は、2016年のリオ大会優勝国で同大会準々決勝で日本が対戦して敗れたアメリカ(同1位)、同大会グループステージで日本が破ったフランス(同5位)、近年急速に力をつけてきているナイジェリア(同14 位)の3ヵ国と一緒のグループBに入った。
女子の世界トップ10はアメリカが頭一つ抜けているとはいえ、各国の実力差は紙一重。実際にコートに立つメンバーの顔ぶれはもちろん重要だが、仮に非常に有能なプレーヤーを集めたとしても、コンディショニングやスカウティングで後手を踏めば下位国に足元を救われる。そんな中、日本は長年代表をけん引してきた渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)と、2018年のFIBAワールドカップ前から実力を開花させてきた本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)が故障で出場を危ぶまれている。プレーヤー一人一人、さらにはスタッフに関しても格段のステップアップが望まれる状況だ。
男女それぞれのチーム事情や各国情勢とは別に、コロナ感染拡大の影響はどの国もある程度共通しているようだ。理想的な準備ができにくい環境でいかに工夫を凝らすかによって、手にする成果が変わってくることになるだろう。

 

日本の女子代表は世界でもトップグループ(写真/©FIBA.BASKETBALL)



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