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2021/08/03

この夏知っておきたいバスケットボール史 -(3)将来展望編

『この夏知っておきたいバスケットボール史 -(1)誕生編』から読む

『この夏知っておきたいバスケットボール史 -(2)発展編』から読む

 

 バスケットボールが幅広い人びとに楽しまれるようになり、さまざまなアイディアで見ごたえのあるプレーが次々と生まれるようになった現代は、競技普及の勢いが加速している。長い歴史の中で革新的な転換をもたらした要素は、前稿で触れたドリブルの導入とワンハンドでのジャンプショットの広がりを含め、いくつも見つかる。

 

 例えば強力なビッグマンや超人的身体能力の持ち主の登場によるルール変更がそうだ。さらに近年では前代未聞の長距離ショットを平然と沈めるシューターの出現によるプレースタイルの革命などもその一つと言えるだろう。それらすべてを包含し、競技の発展を後押しした要素として象徴的なのは、やはりNBAの世界的な成長だ。

 

 バスケットボール競技の成り立ち(初期)に様々に貢献したスポルディングは近年においても、現代の世界最高峰リーグとうたわれるNBAにおいて1983-2021年まで公式球として、2009年からは公式バックボードブランドとして貢献してきた。

 

スポルディング製NBAオフィシャルボール(1983-2021)

(写真/©Spalding)

 

 NBA人気が世界に広がったのは、1970年代後半から1980年代にかけてのことだ。日本の当時を振り返ると、地上波の地方局がNBA公式戦を定期的に録画中継したり、毎週のリーグ動向をまとめたダイジェスト番組を放送するなどの形で情報発信がなされていた。また1980年代後半に衛星放送が一般家庭に広がると、人気プレーヤーの豪快なスラムダンクや、華麗なドリブルワーク、トリッキーなノールックパスなどのプレーが日本のバスケットボールファンの心をわしづかみに。また個性的なプレーヤーたちのライフスタイルやファッションも注目を集め、町中に「NBAファッション」と呼ばれるスタイルがあふれる状況となった。

 

 NBAの人気はアメリカにおける女子スポーツにも好影響をもたらし、1997年には女子プロバスケットボール・リーグのWNBAが最初のシーズンを開催。今年がその25周年にあたる。また、世界各国への影響は非常に大きく、NBAにインスピレーションを得たアメリカ国外の若者たちが、プレーヤーとしてNBAで活躍するのが今や当たり前の時代となった。

 

 2020-21シーズン開幕時のロスターでは、41ヵ国から107人の外国籍プレーヤーが登録されていたという。これはNBAのみならず、ユーロリーグをはじめとした世界各地域の競技レベル向上を意味している。

 

スポルディング製EuroLeagueオフィシャルボール(2012~)

(写真/©Spalding)

 

 このような形で伝統的な5人制スタイルが普及するとともに、バスケットボールの新たな形も発展を続けている。レクリエーション・スポーツとして長い歴史を持つ3人制バスケットボールは、近年は3×3(スリーエックススリー)の呼び名でプロリーグも誕生した。また、ジェームス・ネイスミス博士のおおらかな“法の精神”を反映するように、さまざまな形で、世界各地で大会が行われるようになっている。

 

 

3人制はバスケットボールの多様性を示す競技形式の一つだ。

日本を含む20か国以上で開催されるグローバル・3x3・チャンピオンシップ ”Red Bull Half Court“。

(写真/© Red Bull Media House /Spalding)

 

 ダンスとバスケットボールが融合したエンタテインメントの要素が強い、フリースタイルというカテゴリーも登場した。ボール一つでゴールさえ必要とせず自己表現するフリースタイルは、一人だけでも楽しむことができる。また、ボールの扱いと身のこなしの鮮やかさを競うダンスバトルは、パフォーマー同士の真剣勝負の場となり、迫真の演技に手に汗握る瞬間の連続となる。

 

誰もが楽しめ、一人でも熱中できるのもフリースタイルの魅力だ

(写真/nock(@nock_fsb)

 

 こうした多様化に伴い、ゲームが行われる環境も、使用されるボールもさらに進化を遂げている。

 

「この競技には常に、グラウンドの広さやゴールの位置、どんな形状のゴールが使われるかなどといった点ついて多様性が伴う。しかし主たる特徴がプレーヤーに明示されてさえいれば、少々の差異は問題にならないのである」――1891年12月21日のファーストゲームから間もなくしてネイスミス博士が描いたバスケットボールのビジョンが、まさに形になっているような2021年。今度は現代を生きる我々が、これからの世代にどんな未来を描き、推進していく番だ。創案の父は、「我々のビジョンは何か?」と問いかけているのかもしれない。

 

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(月刊バスケットボール)

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