男子日本代表

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2021/02/18

FIBAアジアカップ2021予選を取り巻く難しい状況 - 島田慎二Bリーグチェアマンが会見で説明

 

 カタールのドーハで2月17日から開催される予定だったFIBAアジアカップ2021予選が新型コロナウイルスのパンデミックの影響で直前の12日に中止となったことを受け、国内のバスケットボール関係者の間で混乱が生じている。同大会が再三にわたって開催地と日程変更を繰り返していることが、日本代表を大会に送り出す立場のJBA(公益社団法人日本バスケットボール協会)と、代表に選手たちを送り出す立場のBリーグ、そしてその所属クラブ・選手たちに非常に難しい状況をもたらしているのだ。
 2月15日、島田慎二Bリーグチェアマンが、この予選会を取り巻く特異な状況について会見の場で説明を行った。会見はBリーグ公式YouTubeチャンネルで配信された島田チェアマンからの説明と、一般には非公開の下での、その説明に対するメディア各社との質疑応答という流れだった。
 YouTubeでの島田チェアマンからの説明は、公開されている会見の動画をご確認いただくのが一番だが、おおまかには以下のような3つのポイントについてが語られた。

 

1. パンデミックの深刻さが増している中、なぜこの予選会は開催されないといけないか
 一つは、この予選会にFIBAアジアカップ2021本戦出場権がかかっており、本戦出場チームがFIBAワールドカップ2023予選出場権を得るという意味での大会の重要度。もう一つは、かつて国内でのガバナンスと競技レベルに疑問符をつけられFIBAから制裁を受けた日本が今もそのモニタリング下にあるという現実だ。日本の努力が認められたからこそFIBAワールドカップ2023の沖縄における開催(および開催国としての同大会出場)も、東京2020オリンピックへの開催地枠での出場も認められた。しかしもしも今回FIBAの意向に背く形でドーハ行きを拒否すれば、2023年の大会開催権はく奪と、その結果としてのパリオリンピック出場断念という結末が見えてきてしまう状況だったのだ。
 そのため日本として、「ベストメンバーが必要」だったことを島田チェアマンは説明した。

 

 

2. FIBA、JBA、Bリーグ、クラブがどんなコミュニケーションをしていたか
 パンデミック下における関係者の健康と安全、コロナ禍であえいでいるクラブもある中シーズンたけなわとなっているBリーグの価値担保、そして日本代表としての責任という、どれも重要な要素をすべて成立させなければならない状況で、かつ短期間での判断を迫られた。BリーグとしてはJBAに万全のコロナ対策とリーグ運営の観点からの選手派遣の公平性を求め、理解を得られたので、島田チェアマンとしてクラブの説得に当たることにした。結果、クラブと選手によって代表派遣に協力的なケースと、非協力的なケースが生まれ、ある意味で「分断」と言うべき状況が発生してしまった。
 今回非協力的だったクラブや選手に対し罰則を科すことも検討したが、コロナ禍において十分理解できる事情と捉え、また大会も中止となったので、実際に罰則を科すことはなく終わったとの説明だった。選手会とのコミュニケーションをとる時間的余裕がなかったことも触れられた。
 そのような状況だけに、ファンに向けて、コロナ禍でバスケットボール関係者が分断というネガティブな状況に陥らないよう、当事者となったクラブや選手がつらい思いをするような状況にしないよう理解と配慮を乞うということは、リーダーとして非常に重要だっただろう。

 

 

3. 今後、同大会の開催予定があらためて伝えられる見込みだが、その際とうするのか
 島田チェアマンはこの点について、次のような言葉で説明した。「こういう状況(大会開催地・日程の変更)が再三行われている中で、リーグ戦の佳境の中で、素直に、またシーズン中に突然ここでと言われても、我々としては簡単に受け入れるわけにはいかないというふうに考えています。あらかじめ我々としては今のリーグ戦のこと、緊急事態宣言下にあること、選手の安心・安全を考えていった場合に、今回の事象も鑑みて、難しいというお話はお伝えをしていきたいというふうに思っています」
 こういった状況にあることは、すでにFIBAにも申し入れをはじめているとのことだ。
 島田チェアマンは一般公開の映像で、状況によっては代表としてBリーグの選手たちを派遣しない可能性を示唆した。FIBAアジアカップ2021予選の大会開催地・日程を再考するにあたって、その点には配慮を求めたいという日本側の意向が国内外で鮮明になるだろう。

 

 


 この会見で多くの点について理解が進んだのだが、1点わからなかった点があるので、最後にそれを記してみたい。
 それは月バスドットコムで2月13日に投稿した、FIBAアジア事務総長から出場各チームの統括団体宛に出されたとされる声明についてだ。それによれば、ドーハで行われる予定だったFIBAアジアカップ予選の試合は、すでにフィリピンとレバノンで開催されることが確定しているのだ。
 一方で、日本にその声明文が伝えられたとの正式な発表はない。実際にないのか、入手しているが発表していないのかはわからない。もし声明文が本物で日本にもたらされていないのなら、それはなぜなのか。もし偽物だとしたら、それが否定されないのはなぜなのか。この点に関して情報がない。もちろん開催地や期日が決定したとの発表もない。
 最終的にどんな決定になるかはまた続報を投稿したいと思うが、これらの「ない」の裏に、FIBAと日本のバスケットボールコミュニティーの間の距離感を感じる。この日の会見は日本側の意向を鮮明にした点で、その距離感を詰めようとする努力の一つのようにも思えた。

 

画像はすべて会見時のキャプチャー

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)


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