月刊バスケットボール6月号

NBA

2021.01.30

八村 塁(ウィザーズ)がスターターに復帰、渡邊雄太(ラプターズ)はキャリアハイの12得点 - 現地1月29日のNBA日本人プレーヤー情報

 

八村 塁、今後の上昇を思わせる復帰初戦の9得点


アメリカ現地1月29日(日本時間1月30日)のNBAは、日本のファンにはうれしいニュースが続いた。ワシントン・ウィザーズで八村 塁がスターティング・ラインナップに復帰し、トロント・ラプターズでは渡邊雄太がキャリアハイの12得点を記録したのだ。
ティップオフが先だったウィザーズ対アトランタ・ホークス戦では、1月11日のフェニックス・サンズ戦以来戦列を離れていた八村がスターティング・ラインナップに名を連ねた。テクニカルファウルが9度コールされ3人が退場するという乱戦模様の展開となり、ウィザーズは100-116で敗れたが、八村は24分間出場して9得点、5リバウンド、1アシストを記録するなど、復帰初戦としてまずまずの働きを見せた。
ウィザーズは一時、八村を含む9人が新型コロナウイルス関連の安全衛生プロトコルの対象となる苦境に陥っていた。1月11日の試合を終えて以降6試合が延期となったあと、再開された公式戦でも4連敗。現時点での3勝12敗はイースタンカンファレンスの最下位だが、八村同様に前述のプロトコル対象となって離脱していたモリッツ・バグナー、ダービス・ベルターンスもこの日復帰を果たし、さらに次戦(現地1月31日に行われるブルックリン・ネッツとのホームゲーム)ではデニ・アブディヤ、トロイ・ブラウンJr.、イシュ・スミスの3人も戦列に戻る見込み。フロントラインにアレックス・レンとジョーダン・ベルの2人も前週から補強されており、2月は八村個人にもチームにも巻き返しが期待できそうだ。

 

スターター起用も期待させる渡邊雄太の活躍

 

 一方渡邊はこの日行われたサクラメント・キングスとのホームゲームで、序盤からリードを許す展開の中ベンチから登場して期待に応える活躍を見せた。試合には124-126と惜敗したものの、24分間の出場でキャリアハイの12得点(フィールドゴール4/5、3P 2/3、FT2/2)に加え6リバウンド、2アシスト、2スティール。オールラウンドに貢献して±はチームハイ・タイの10だった。特に91-104の劣勢で始まった第4Qは7得点、4リバウンド。残り1分8秒には116-117と追いすがるフィンガーロール・レイアップも成功させた。
ラプターズは3連敗でシーズン成績が7勝12敗(イースタンカンファレンス12位)。過去6試合連続で、故障欠場のために2番から4番のポジションでスターティング・ラインナップを動かしている。渡邊はこの日を含め直近4試合でいずれも10分以上出場し、平均7.3得点、6.0リバウンド、3P成功率45.5%と「アピールに足りる」という表現以上の貢献ぶり。そろそろスターター起用もありうるのではないかという状況にも思える。

 この日の出場時間は、メンフィス・グリズリーズ在籍時の2019年2月7日に、両親が見守る中で日本人NBAプレーヤーとして初めて2ケタ得点(10得点)を記録した対オクラホマシティー・サンダー戦に次ぐ、自身として過去2番目の長時間。明らかにチームからの信頼度が高まっている。それだけでなく、カナダのファンの間でも渡邊は人気を得ているようで、同国のツイッターで一時「Yuta」という言葉がトレンド1位になったというエピソードも報じられている。渡邊の起用が少ないとラプターズファンからブーイングも出そうだが、チーム事情も手伝って出場機会は増える公算が強いと言えるだろう。

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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