月刊バスケットボール5月号

NBA

2021.04.19

八村 塁(ウィザーズ)、日本時間4月20日の対サンダー戦は欠場

 

 日本時間4月18日(アメリカ時間17日)の対デトロイト・ピストンズ戦で左ヒザを痛めた八村 塁(ワシントン・ウィザーズ)が、次戦となる日本時間4月20日の対オクラホマシティ・サンダー戦を欠場することが明らかになった。ウィザーズはこの試合でピストンズを121-100で下したが、八村とセンターのアレックス・レンが故障で途中離脱。NBAが毎日3回公表するインジャリーレポート最新版(アメリカ東部時間4月18日午後8時30分付け)によれば、八村は左ヒザの痛みで“Out(欠場)”、レンについては左足首の痛みで“Questionable(疑わしい)”となっている。

 八村が左ヒザを痛めて離脱したのはこの試合の第3Q残り8分過ぎ。ゴール下で得点をねらいメイソン・プラムリーら相手ディフェンダーと競り合いながら空中に飛び上がったシーンで、バランスを崩してフロアに倒れ込んだ。しばらくは座り込んだままとなり顔をしかめる状況がリーグパスのモニターに映し出されていた。その後チームメイトの手を借りて立ち上がった八村は自力で歩いてベンチに戻ることはできたが、コートに戻ることはなかった。この試合では6得点、2リバウンドにスティールとブロックを1本ずつ記録している。
八村は左ヒザ下にストラップを巻いてプレーしていたことから、何か慢性的な故障があったのではないかとの見方もあった。シーズンアベレージで13.5得点、5.9リバウンドの八村が、この試合前までの直近5試合では数字だけ見れば9.6得点、5.0リバウンドとややおとなしめであり、かつ前日の対ニューオリンズ・ペリカンズ戦ではザイオン・ウィリアムソンとマッチアップして42分22秒プレーしたばかり(この出場時間はキャリアで3番目の長さ)。こうした点から試合中のアクシデントとは別の要因を疑う見方もうなづけるところがある。

 試合後の会見でも、何か対処していたものがあったのかどうかについてスコット・ブルックスHCに質問が飛んでいた。しかしブルックスHCは「いえ、そうは思いません。ヒザをぶつけました(No, I don't think so. I mean he did get knees)」とそれについては否定し、「明日の様子を見ましょう。彼は非常に負けん気が強いので、今日だけの問題で明日には良くなり、明後日にはさらによくなっていることを望みたいですね(We’ll see how he feels tomorrow. He’s super competitive and hope that it’s just this game and feel better tomorrow and much better next day)」と話している。

 

対ピストンズ戦の試合後会見でのブルックスHC


ウィザーズはピストンズ相手の勝利で目下4連勝中。日本時間19日(アメリカ時間18日)の日程を終えた段階で今シーズンの通算成績は22勝33敗で、順位としてはイースタンカンファレンスの12位だが、11位のシカゴ・ブルズとは同率、プレーイン・トーナメント出場圏内となる10位のトロント・ラプターズともわずか0.5ゲーム差という状況だ。
日程的にはホーム4連戦の2試合を終えたところであり、サンダーとの試合の2日後にはキャピタルワン・アリーナに今シーズン初めて、キャパシティーの10%と言う制限付きながら観客を迎え入れて対ゴールデンステイト・ウォリアーズ戦を開催する予定となっている。4月中の残された日程にはアウェイゲームが2試合しかなく、八村にとってはコンディションを取り戻すには好ましい状況かもしれない。
約2週間後の日本時間5月6日(アメリカ時間5日)には、フロリダ州タンパで行われるトロント・ラプターズとの一戦が控えている。渡邊雄太との「日本人対決」が期待できるこの試合まではまだまだ時間があるが、いずれにしても万全の状況で戦列復帰できることを願うばかりだ。
ウィザーズはチームリーダーのラッセル・ウエストブルックと得点源のブラッドリー・ビールに加え、ロビン・ロペスや新戦力のダニエル・ギャフォードらフロントラインが好調。八村不在の穴を埋める戦力としては、4月14日付の10日間契約で加わったジョーダン・ベルも期待できる。シューターのダービス・ベルターンスがプライベートな理由により直近2試合を欠場しているが、その間イシュ・スミス、ハウル・ネトらバックコート陣のロングレンジも好調。チームとして上り調子で、ポストシーズンに向けた競争の中でも希望を持てる位置につけている。

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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