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2021/05/27

八村 塁(ウィザーズ)、プレーオフ第2戦のミッションは「相手エースのオフスクリーン・プレーを抑えよ」

日本時間5月25日未明のズーム会見で、八村はシリーズ第2戦に向けた意欲と課題を語った

 

 八村 塁(ワシントン・ウィザーズ)が日本時間5月27日朝(アメリカ時間26日)、イースタンカンファレンス第1シードのフィラデルフィア・セブンティシクサーズとのNBAプレーオフ第2戦に臨む。シクサーズがホームとするウェルズ・ファーゴ・アリーナで同24日に行われた第1戦にウィザーズは118-125で敗れたが、前半は62-61とリードし、後半も流れを持っていかれた第3Q以外では互角の戦いができていた。リードの交代は10回あり、同点の場面は13回。十分対抗できていただけに、第2戦で勝利してホームコートアドバンテージを奪ってワシントンD.C.に戻りたいところだ。

 第1戦での八村は、オフェンス面では8本のフィールドゴールのうち5本を成功させて12得点。3Pショットに関しては第4Qの重要局面で放った2本のアテンプトをいずれも成功させており、リバウンドも5本と堅実な貢献ぶりを見せていた。しかしディフェンス面では、相手の得点源であるトバイアス・ハリスにマッチアップしてプレーオフでのキャリアハイとなる37得点を奪われた。
 ハリスのようなオールスタークラスを一人で抑え込むのは、誰がマッチアップしても非常に困難だ。しかしウィザーズはいずれにしても、チームとしてハリスを少しでもスローダウンさせる策を講じたいところ。第2戦前々日の練習後に行われたズーム会見で、八村はその点における課題を以下のように話していた。

 

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――マッチアップしたトバイアス・ハリスが前半特に好調(前半だけで28得点)でしたが、次の試合ではどんな対策で封じ込めるつもりですか?
 スクリーンをうまく使われて、スペースを奪われてしまったので、こちらももっとフィジカルに、スクリーンを利用させないように、常に密着したディフェンスでプレッシャーをかけることがカギになります。
――オフスクリーンでプレーするハリスに対し、自分もスクリーンに負けずついていくのか、スウィッチしていくのか、フィジカルにとはどんな意味合いでしょうか?
 相手にはジョエル・エンビードやドワイト・ハワードなど本当に大きくてスクリーンがうまいプレーヤーがいるので、何とかうまくかわして、相手がスクリーンを仕掛ける前に良いポジションに動いていかないといけません。
――効果的なダブルチームを、特にジョエル・エンビードのようなプレーヤーを相手に実行するためのカギは何か?
 そうするには、もっと徹底しないといけません。初戦ではなんとなくやってしまっているときがあったので、最初からもっとアグレッシブに、コミュニケーションを良くしてビッグマンを助けるようにしなければいけません。エンビードはリーグ最高のプレーヤーの一人でMVPですからね。彼らが最高レベルの相手に対抗できるように助けたいです。

 

 ハリスは身長203cm、体重103kgのフォワードで、インサイドもアウトサイドもうまい。自ら1対1で局面を打開する能力も、チームメイトのスクリーンを活用したアタックもどんどん仕掛けてくる。八村自身203cm、104kgとサイズ的にハリスに劣ることはないし、運動能力や身体能力も備えてはいるが、エンビード(213cm、127kg)とハワード(208cm、120kg)というどでかく重いスクリーナーたちをすり抜け、あるいは跳ね飛ばしてハリスについていくのはたやすいことではない。これはつまり1対1の勝負ではなく、チーム戦略としてシクサーズが強みをフルに生かした結果なのだ。エンビードは自らも30得点を奪っており、彼らのピック&ロールやスクリーンへの対応が勝負の大きなカギの一つだと言える。
 一方で八村もウィザーズのチーム全体も、オフェンスではあと一押しでアップセットが可能なことを第1戦で感じさせた。ブラッドリー・ビールは33得点、ラッセル・ウエストブルックは16得点に14アシストと期待されたとおりの数字を記録していた。ミスター・トリプルダブルと称されるウエストブルックのリバウンドが5本にとどまったが、ウィザーズとしてこれは想定内だったと思われる。というのも、シクサーズのポイントガードを務めるベン・シモンズが、これまた211cmと超大型で身体能力がモンスター級に高い相手だからだ。チームとしてビッグラインナップでウィザーズを押し切ろうというコンセプトがシクサーズ側では明確なのだ。

 シモンズは第1戦で、6得点に15アシスト、15リバウンドと、ウエストブルックとは異なる方向性で持ち味を大いに発揮したが、ウィザーズ側としてはシモンズの得点を初戦同様に抑えつつ、67得点を奪われたハリスとエンビートを60得点以下にすること、そしてリバウンドをもう少し奪って速攻に繋げられれば、初戦の7点差を克服して勝機をつかむ可能性はかなりあるのではないだろうか。
 八村は自身初となるプレーオフ出場について、レギュラーシーズンとは異なるフィジカルさと緊迫感があることを明かしていたが、準備に関しては「大学時代を思い出させるような状況でした。あの頃は一つのチームに集中して映像を研究していましたが、NBAでは短い期間に異なるチームと対戦しますから、映像を見るにしても細かなところまでの見方が異なります。今回は対戦相手が決まっているので本当に細かなところまで確認しています。相手もそれは同じことでこちらがどんなオフェンス、ディフェンスをしようとするかわかっていると思うので、それもまた面白いところです」と話し、十分時間がとれていることをうかがわせている。試合と試合の間も2日間空いているので、「コーチたちと映像を見る時間も増えます。しっかり準備してよりフィジカルに、緊迫感を高めていくと同時にコンディションもしっかり整えて臨むつもりです」という。
 内面的にも、日本人として初めての“夢の舞台”に立つことに格別な意義も感じている様子で、「それができる位置にいるのは光栄なことです。子どもたちにNBAを目指すとかプレーオフに出ることに向けた希望をもたらすことができるのはうれしいことです」と話していた。こうした高い意欲の持ち方や、大観衆(初戦は満員御礼の11,160人)の前でプレーを楽しめていると語るおおらかさからも、次戦以降での更なる奮起が期待できそうだ。
 ウィザーズとシクサーズのシリーズはこのあと、日本時間27日(木)の第2戦を終えると第3戦(日本時間30日の日曜日朝)と第4戦(同6月1日の火曜日朝)はウィザーズの本拠地ワシントンD.C.に舞台を移す。楽しみなシリーズはいよいよ盛り上がっていく。

 

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文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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