月刊バスケットボール6月号

NBA

2021.05.21

八村 塁(ウィザーズ)決戦の日 - 日本人初NBAポストシーズン2試合目はホームでの爆発に期待

 

 八村 塁が日本人として初めての、NBAにおけるポストシーズン公式戦に臨んでいる。ファウルトラブルに苦しんだ初戦の対ボストン・セルティックス戦は出場時間が16分37秒にとどまり、8得点、2リバウンド、1ブロックと、シーズン中の平均的なパフォーマンスに到達したとは言えない成績だったが、日本時間5月21日には行われるインディアナ・ペイサーズとのプレーイン2試合目で復調を期す。

 セルティックスとの試合では、マッチアップしたオールスターのジェイソン・テイタムに50得点と貫録の活躍を見せつけられ、結果としてチームも100-118と悔しい敗北を食らった。ただ、コート上での八村は随所に自らの強みを生かした好プレーを見せていた。フィールドゴールは5本中4本成功させての8得点であり、ファウルトラブルさえなければもっとこの数字は伸びていたことだろう。また、ウィザーズがチームとしてテイタムに50得点を許した背景にも、八村がいなかった影響があったはずだ。
プレーイン・トーナメントの最初の4試合では、いずれもホームチームが勝利した。ロサンゼルス・レイカーズ対ゴールデンステイト・ウォリアーズ戦を除いては、どの試合もホームチームが第1Qに比較的大きなリードを築き、快勝を手にしている。

 

インディアナ・ペイサーズ144-117シャーロット・ホーネッツ
第1Q ペイサーズ40-24ホーネッツ
ボストン・セルティックス118-100ワシントン・ウィザーズ
第1Q セルティックス27-20ウィザーズ
メンフィス・グリズリーズ100-96サンアントニオ・スパーズ
第1Q グリズリーズ38-19スパーズ
ロサンゼルス・レイカーズ103-100ゴールデンステイト・ウォリアーズ
第1Q ウォリアーズ28-22レイカーズ

 

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 これを見ると、どうしてもカギが第1Qの入り方と、ホームコートアドバンテージへの対応にあると言いたくなる。プレーインはNBAの歴史で初めて行われる形式で、特にカンファレンス9位と10位の対戦は負ければシーズン終了の一発勝負。7位と8位の対戦には、8位のウィザーズがそうであるように負けても9位対10位の勝者(今回はペイサーズ)と戦う2度目のチャンスがあるものの、この状況がアウェイのチームに大きなプレッシャーをもたらしたのではないかと思ってしまう。
レイカーズとの試合を前にしたウォリアーズのスティーブ・カーHCの会見が始まった段階で、すでにグリズリーズとスパーズの第1Qが終わっていてその傾向が明らかだったので、この点について質問してみた。カーHCは「この2日間、今日に向けてできることはすべてやってきました。どうやって攻めるべきか、ディフェンス面でどう対応するかもわかっています。ゲームプランを持ってきているので、すぐさまそれを遂行しなければいけませんね。それ以外に多くはないです」とチームとしての準備に自信を見せていた。結果としても非常に良い入り方をし、第3Qにディフェンスのプレッシャーを高めたレイカーズにターンオーバーを誘発させられるまでは主導権を握った。終盤レブロン・ジェームスがスティン・カリー越しに決めたディープスリーが成功していなかったらどうなったかはわからない。こうした接戦に持ち込めた大きな要因は、試合にうまく入っていけたことだっただろう。ウォリアーズは過去6年間で5度NBAファイナルに進出し、3度チャンピオンになったチームだ。それだけに、個別のレイカーズというチームに対する対応も、大一番でのプレッシャーへの対処についてもしっかり準備ができていた。

 

カーHC率いるウォリアーズは最終的にレイカーズに敗れたが、試合への入り方には成功していた(写真をクリックするとインタビュー映像を見られます)

 

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