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2021/06/09

千葉ジェッツ専用練習場、ロックアイスベースの魅力

千葉ジェッツ在籍時の小野龍猛が小久保社長と交わした会話がロックアイスベース誕生のきっかけになったという(写真/岡田 健)

 

「小久保さん、作っちゃったら…?」小野龍猛の一言


 会見では、『CHIBA JETS REBRANDING』の諸々の発表の後に、小久保製氷冷蔵株式会社の小久保龍平社長が登壇。ロックアイスベースのオープンに至る詳しい背景を披露した。きっかけは、2020年までチームでキャプテンを務めていた小野龍猛(2020年に信州ブレイブウォリアーズに移籍)との会話だったという。

 

「以前所属していた小野龍猛と食事をしながら、ジェッツって強いよねと話していたんです。ただ、いろいろな話をしている中で、専用の練習場がないからあちこち転々としながら練習をしないといけない。例えばウエイトをしたあと、移動しながら各々食事して、船橋アリーナでチーム練習をしてという具合です。そうした中でもずっと成績を上げてきたんですけど、『やっぱり最後にてっぺんに届かないのって、そういうところなんですよね』という話があって」。

 

 小久保社長はそれを聞いて、「それは確かにそうだ」と同意こそしたものの、はじめは、だからといって自身がその建設に乗り出すとは考えていなかった。しかし、「そこはやっぱり小野龍猛ですね。『いや、小久保さん、作っちゃったらいいんじゃないですか…?』みたいに軽く言ってですね…(笑)」。その後、このやり取りが実を結ぶ。「当時の島田社長(現Bリーグチェアマンの島田慎二氏)とお話しさせてもらう中で、ずっと長年練習場が欲しいという夢があったということを聞きました」

 

 パートナーとしてできることを検討した結果、小久保社長は、千葉ジェッツがホームタウンとする船橋市に隣接する八千代市に、小久保製氷冷蔵が保有する遊休地の活用を思い立つ。「千葉ジェッツふなばしの名前に入ってこない場所なんですけど、ここだったら空いていますよという話をして、そこからお互いの夢を語り合って、現実にここにということになりました」。

 

会見でにこやかな笑顔を見せた小久保製氷冷蔵株式会社代表取締役社長の小久保龍平氏(左)と株式会社千葉ジェッツふなばし代表取締役社長の田村征也氏(右)


 その場所――つまりロックアイスベースが建てられた場所は、小久保製氷冷蔵株式会社にとって大きな意味を持つ場所でもある。遊休地として使っていなかったものの、実はこの地はロックアイス発祥の地なのだ。「会社として、現会長の小久保 歓として思い入れもありますので、この土地を手放すというのはないなと。何か有効活用ができないかなということで、だったらここにロックアイスベースを作って、いろんな形でまた社会に貢献していこうというふうに思って作りました」

 

 経営者として、この地での事業にことさら営利を求める気持ちもなかった。「これでご飯を食べていこうという考えではなかったんです。うちの父(現会長の小久保 歓氏)にとっては創業の地なので、「ロックアイス」というのを残したいというのがありました。例えばここにレストランとかを作っても、もう「ロックアイス」じゃないよな…。発祥の地として謳えないなというのがあって」。小久保社長自身にとっても、この場所は子どもの頃、夏休みのたびに父親に連れられて遊びにきた場所。父の背中を見て人生を学び、当時の社員と交流し、社業への熱を高めた思い入れもあるのかもしれない。

 

 それでも社内で話せば、そういった周辺事業的なことよりも直接的に社員の生活に還元される方向での活用を望む声も出てきそうだ。工場を作ってはどうか、社内の福利厚生に活用できる施設はどうか。

 

「工場を作らないかという話もあったのですが、周りを住宅で囲まれているからいまさら作れないな、となりました。工場を作ること自体は許されても、近隣住民の方々とうまくなどできないよと…」。

 

 解決策として検討を進めたロックアイスベースの建設を始める前には、社長自ら社内でこうしたコンセプトを理解してもらえるよう構想をまとめた動画も作り、説明会も開いたという。その上で最終的に、千葉ジェッツ専用練習場としてだけではなく、小久保グループの社員も福利厚生の一環として使用が許可されているそうだ。

 

 ここで千葉ジェッツのコート上での実績もモノを言った。「千葉はジェッツが強くて、社員にもいっぱいブースターがいるんですよ」と小久保社長は笑顔で話す。千葉ジェッツの支援を始めた後、「社員が私にお礼を言ってくれるようになったんです」というエピソードからも、社内に同じ思いが企業文化として根付いていることがうかがえる。そうなると多くの社員にとって、この場所は「千葉ジェッツファミリー」的な感覚を共有できる場所にもなるだろう。ロックアイスベース建設についての社内コンセンサスはこのような中で確立された。


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