月刊バスケットボール6月号
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ベンドラメ 礼生
PG/186 cm
サンロッカーズ渋谷[/caption]

 

[東京2020 男子日本代表の横顔]

世界の強力バックコート陣をストップできるか

 

 ディフェンスで前線からガツガツ当たって相手チームのリズムを狂わすこと。ベンドラメ礼生に求められるプレーはこれだ。

 幼い頃は自身の地元である福岡県の強豪、福岡第一高でプレーしていた並里成(琉球ゴールデンキングス)に憧れ、バスケットボールのスキルを参考にしていた。「九州の子たちならみんな成さんに憧れていたと思います。バッシュのヒモを結んで首からかけたり、そういうスタイルもマネしていました(笑)」。ベンドラメはそう、当時を振り返る。

 高校は宮崎県の延岡学園への進学を決め、全国大会にも幾度となく出場。3年時にはインターハイ、国体、ウインターカップで高校3冠を達成し、気付けば世代屈指の司令塔へと成長を遂げていた。才能を見出されて入学した東海大でも1年時から主力として戦い、4年時にはキャプテンとして名物の試合前のディフェンスコールを仕切るまでになった。

 ベンドラメは、学生時代から当たり負けしない体を持ち、果敢なドライブで力強くフィニッシュすることができ、思い切りの良いアウトサイドからもシュートも魅力。加えて、勝負どころでもボールを託せられる強心臓の持ち主でもある。

 サンロッカーズ渋谷ではオフェンスでの持ち味を十分に発揮しながら、ディフェンスでもキーマンとして活躍。伊佐勉HCが追求する試合開始の瞬間からオールコートで仕掛け、次々に選手をローテーションして常にフレッシュな状態をキープしながら戦っていくタイムシェアスタイルを体現する一人だ。

 日本代表ではロールプレーヤーの一人として要所で出場することになりそうだが、強豪ぞろいのCブロックを勝ち抜くためにはスペイン戦でリッキー・ルビオ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、アルゼンチン戦でファクンド・カンパッソ(デンバー・ナゲッツ)、そしてスロベニア戦ではルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)という優れたプレーメイカーを乗り越えることが必須条件。

 東海大、SR渋谷と各カテゴリーで最高クラスのディフェンシブチームの要として活躍するベンドラメのディフェンス力は、彼らと戦っていく上でキーポイントとなるはずだ。

(堀内涼/月刊バスケットボール)



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