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2020/07/22

【コービー・ブライアント追悼コラム】74歳の指先に宿るマンバ・メンタリティー

『英雄伝説 コービー・ブライアント』の表紙をモティーフとして描かれた精巧な鉛筆画。この作品は思わぬ驚きとともに、私たちの手元に届けられました。

文=柴田 健 イラストレーション=原 健二

 

 

原 健二さんによるコービーの鉛筆画。息を呑むその精巧さに、30歳以上も若かったコービーの命に向けられた原さんの哀悼の意があふれています

 

 

K・Bに失礼のない様に気持を込めて書きました

 

 ニヒルな表情。静かだが力強い視線。モノトーンの世界から、コービー・ブライアントがこちらをのぞいているこの作品は、奈良県大和高田市にお住いの原 健二さんから届けられたものです。現在発売中の『英雄伝説 コービー・ブライアント』の表紙をそっくりに模写した鉛筆画。ライティングの微妙な陰影、瞳の輝き、一本一本の体毛までもが精巧に表現されていて、思わず見とれてしまう魅力があります。

 

 6月17日、最初はこの作品の写真が届きました。前述『英雄伝説 コービー・ブライアント』の表紙とこの鉛筆画の写真が一緒に入っており、一瞬どういうことかが理解できないほど、2つの写真はあまりにもそっくりでした。

 

 達筆な筆書きの手紙には「同封させて頂きました写真ですが、実は小生が描きました鉛筆画です」とあります。読み進んでいくと、原さんは鉛筆画を生業にしているのではなく、アマチュア・アーティストとして芸術と向き合っていることが書かれていました。しかし、アマチュアという言葉に似つかわしくない素晴らしい完成度…。素直な感心を抱きながらさらに読み進むと、文末にはさらに驚かされることが書かれていました――「当方只今七十四才 至って健康」

 

 正直、驚きました。コービーは42歳になろうという今年、悲劇に見舞われてしまいましたが、その人生が、本人よりも30以上も年を重ねた日本のアーティストの心に触れたという事実に、感動させられました。

 

 礼状をお返しすると、今度はなんと原さん、この作品自体を編集部にお送りくださいました。

 

 間近で拝見すると、すぐそばにコービー自身がいるような胸の高鳴りを覚えるとともに、「K・Bに失礼のない様に気持を込めて書きました」という原さんの想いがひしひしと伝わってきます。ずっと見つめていると、ワークアウトの細部までこだわったコービーのバスケットボールに向き合う姿勢も胸をよぎり、マンバ・メンタリティーが原さんの指先に宿ったかのような作品に思えました。

 

 原さんは書店で表紙を見て、これは絶対に書こうと思ってくださったそうです。その思いを実行に移し、これだけの完成度で仕上げられたことに、心から敬意を示します。同時に、原画をご贈呈くださるという身に余るご厚意を賜りましたことに、この場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。

 

 あまりにも早くこの世に別れを告げたコービーとジアナへの哀悼、そして悲しい思いをしているご遺族への心遣いとともに、原さんが手掛けたこの作品。ぜひたくさんの方々にご覧いただきたいと思います。

 

※この鉛筆画については、月刊バスケットボール9月号でも紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

 

 

 

コービー追悼特設ページ『Dear Kobe Bryant』

↑画像をクリックして特設ページへ↑

 

(月刊バスケットボール)


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