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2020/06/07

【コービー・ブライアント追悼コラム】コービーのNBAファイナルデビュー

2000年6月7日は、シャックとコービーのロサンジェルス・レイカーズが初めてNBAファイナルの舞台に立った日です。相手はインディアナ・ペイサーズでした。

文=柴田 健

 

1997年から3年続けて逃したファイナル進出を果たしたレイカーズは、この年12年ぶりのタイトルを獲得しました(撮影=佐々木智明)

 

 

念願叶えたチーム同士の激突

 

 このシリーズを戦ったレイカーズとペイサーズは、ともにそれまでどうしても乗り越えられなかった壁をついに打ち破ってファイナルの舞台に立っていました。

 

 レイカーズはご存じのとおり、1996年オフにFAだったシャキール・オニールを獲得し、コービーをドラフトで手に入れながら1996-97、97-98、98-99シーズンではいずれも思いを果たせずに終わっています。1990年代に6度王座に就いたシカゴ・ブルズの、マイケル・ジョーダンとスコッティ・ピペンをもしのぐのではないかと言われたワン・ツーパンチを持ちながら、王座を競う舞台にすら立てない状態。フロントはもちろん、地元のファンももどかしさを感じて当然です。そのブルズを率いたフィル・ジャクソンを指揮官に迎え万全の体制を作り上げた1999-2000シーズンは、絶対に負けられない状態でした。

 

 ファイナル進出への最後のステップだったウエスタンカンファレンス・ファイナルでは、ポートランド・トレイルブレイザーズと第7戦におよぶ激闘を演じました。その最終戦ではあのコービーからシャックへと渡った絶妙かつ豪快なアリウープが炸裂。劇的なムードの中で勝ち上がったチームの士気はいやがおうにも高まっていました。

 

 一方のペイサーズは、1990年代にイースタンカンファレンスにおいてジョーダンのブルズ、さらにはパトリック・ユーイングのニューヨーク・ニックスなどとし烈なバトルを展開し、惜しいところでファイナル進出に手が届かなかったチームです。1998年のプレイオフでは、ブルズをカンファレンス・ファイナルの第7戦まで追い詰める死闘の末に敗退。99年はニックスの前に同じくイースタン・カンファレンスで屈しました。

 

 驚異的な勝負強さを持つシューターのレジー・ミラー、スマートなリードオフマンで独特のフリースロー・ルーティンでも人気を集めたマーク・ジャクソン、柔軟性の高い有能なスイングマンのジェイレン・ローズ、筋肉の塊のようなデール・デイビス、ペイントにそびえたつビッグマンのリック・スミッツ…。ベンチにはかつて1991NBAファイナルでレイカーズの一員としてプレーした、サム・パーキンスも控えていました。個性あふれるこのチームを率いたヘッドコーチはあのラリー・バードです。

 

 下馬評ではレイカーズ有利との見方が強かった中、結果的にペイサーズはこのシリーズに敗れ、それとともに輝かしい一時代の終焉を迎えます。シリーズ終了後のオフにはバードがHCを退任。ジャクソン、デービス、スミッツという核がチームを去りました。ペイサーズの顔だったミラーがいたとはいえ、しばらくの間は華々しい成果を残すことはできませんでした。

 

 

絶好調のシャックをアシストしたコービー

 

 さて、この日の主役は間違いなくシャックでした。フィールドゴール31本中21本を成功させ43得点に19リバウンド。頼れる相棒の“モンスター・ゲーム”にコービーは、「いい感じでのっていた彼に、とにかくボールを集めたよ」と試合後に話しています。

 

 試合はレイカーズが第1Qに15点のリードを築きます。ペイサーズもじりじりと追い上げ、第4Qには2点差に迫りましたが、最終スコアは104-87のレイカーズ勝利。ペイサーズ側は、信じられないことにミラーが16本中15本のフィールドゴールを外すという想定外の絶不調…。レイカーズのディフェンスが良かったことはもちろん大きな要因でしょうが、これはミラーにとって自身初のファイナルだったことに加え、故郷リバーサイドにほど近いロサンジェルスでの第1戦。その普段とは違う緊迫感が、名手の手元にネガティブな影響を及ぼしたのかもしれません。

 

 コービーはシャックに次ぐチーム2番目の14得点、そしてチームトップの5アシスト。この数字を見ると、「コービーはパスをしない…」という一般論は必ずしも真実ではないと思えます。チームメイトとの調和の中で自らの力を発揮したこの日、コービーはファイナルにおける初勝利を手にしたのでした。

 

 

コービー追悼特設ページ『Dear Kobe Bryant』

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(月刊バスケットボール)


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