【コービー・ブライアント追悼コラム】コービーは、僕らの世代の神様だった
イラストレーターとして修業中のYU氏から、コービー・ブライアントのポートレイトが届きました。実は元月バス編集者ですが、編集よりもアーティストとしての意欲にしたがってその道を生きるYUに、コービーの生き方はインスピレーションとなったようです。
イラスト・文=YU
1990年生まれの僕らの世代にとって、コービー・ブライアントはバスケットボールの神様だった。
2003年、中学生になってからバスケットボールを始めた僕は、正直なところ、当時はマイケル・ジョーダンのことをあまりよく知らなかった。ジョーダンは引退をするシーズンだったし、動画メディアもまだあまり発達していなかったから、プレーをお見かけする機会も少なかった。
一方で、よく耳にする選手がいた。コービーだ。有名なレイカーズ、そのチームの中心選手として活躍している選手、その程度の知識だったかもしれない。けれども彼のプレーを見て、僕は一気に引きつけられた。そうは言っても、ちょうどそのシーズンあたりから数年間、コービーにとって難しい時間を過ごす訳だが。
否、だからこそ僕は、コービーの事がどんどん好きになっていった。
苦しみながらもがきながら、それでも彼は挫けなかった。
そして2008-09シーズンに、彼はまた頂点へと返り咲いたのだ。
少し話が逸れるけれども、僕は映画や漫画にしても、少しクレイジーで、苦しみながら血だらけになりながら、それでも信念を曲げず突き進む系のキャラクターに惹かれるタチだ(映画の中だといささかおかしな方向へ行きがちだが…)。コービーはまさしくそれに当てはまっていた気がする。
彼はバスケットボール・プレーヤーとして、あるいは一人の人として、常に高みを目指していた。その姿は、アスリートでも何でもない一般人の僕のような人にも、影響を与えてきた。
引退後も、僕はSNSで常に彼を見ていた。
娘のジアナもだ。
僕の周辺のNBAをあまり知らない人にも、自分の事のように話をしていた――コービー・ブライアントっていうすごいプレーヤーがいるんだよ、そしてその娘が、もう彼みたいなプレーをするんだ。
頭の片隅に、というよりはもう完全に僕の思考のちょうど右側にいるような、そんな存在になっていた。
僕は、あの日のことを今でもはっきりと覚えている。スマートフォンの画面に表示された、コービーの写真と1978-2020の文字。
何年にどこが優勝したとか、誰が何点入れたとか、そういう話にはあまり興味がない。そんなことより、アスリートの闘う姿勢やメンタリティの部分に興味がある。
コービーは、「マンバ・メンタリティー」を残してくれた。
OK、コービー。僕もこの先どうなっていくかはわからないけれども、とにかく進んでいこうじゃないか。
極めて個人的な話だけれども、僕の誕生日は8月24日でコービーの背番号と一緒だ。細やかにコービーと繋がれているような気がして、うれしい気持ちになる。
あらためてコービー、あなたは僕ら世代のバスケットボールの神様だったと思うし、それを超越してもいた存在でした。
本当にありがとうございました。
<作者プロフィール>
著者:YU
元月刊バスケットボール編集者で今は絵描き。ニックスを応援している。作品はInstgram(ut0824)で、また最近ではYouTubeチャンネル『YUの訪問先【YU's Journey】』でイラストのメイキング動画も公開を開始。今回のコービーに関しては、以下のリンクでそのメイキングを閲覧可能!
https://www.youtube.com/channel/UCMzItLndJPcPmywC28AWQJA?view_as=subscriber
コービー追悼特設ページ『Dear Kobe Bryant』
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(月刊バスケットボール)