【インターハイ2019】月バス PICK UP PLAYER 8.2/#8河村勇輝(福岡第一)

福岡第一#8河村勇輝

 

 

 7月28日~8月2日の期間、鹿児島県を舞台に開催された『南部九州インターハイ2019』。月刊バスケットボールでは、特に活躍の光った選手たちを毎日ピックアップしていく。

 

 北陸(福井)vs.福岡第一による男子決勝戦。破竹の勢いで勝ち上がってきたダークホースと、今季無敗の優勝候補最右翼が、頂上決戦で顔を合わせた。試合は序盤からリードを広げた福岡第一が、107-59と攻防で北陸を圧倒して48点差の完勝。ただ、大きな点差がついても、会場に駆けつけた観客は一瞬も目を離すまいとコートを凝視していた。その熱視線の先にいたのが、福岡第一の司令塔#8河村勇輝だ。

 

 これほど見ていてワクワクし、頼りになる選手もそういないだろう。圧巻のスピードでディフェンスを置き去りにし、広い視野を生かしてノールックパスをさばく。172cmと小柄ながら今大会は留学生をかわすお手本のようなレイバックシュートを何本も披露し、リバウンドにもアグレッシブに飛び込むなど、小さい選手にも夢を与える大活躍で試合を支配していた。毎日、会場を出る際には子どもたちや同世代のファンから写真や握手攻めにあうほど。決勝では井手口孝コーチも、観客の期待感を感じてベンチに下げるのをためらったという。

 

 

「準決勝の開志国際(新潟)戦まで、福岡県のウインターカップの枠を取らなければならないという緊張感から勝つことに慎重になり過ぎている部分があって、それが自分たちのバスケットのスタイルに結び付いていなかったと思います。でも今日は(枠を獲得して)“あとは優勝するだけ”ということで、純粋にバスケットを楽しもうと思いました」と、決勝を振り返った河村。日本一と同時に、大会前から語っていた“福岡県にウインターカップの3枠目を持ち帰る”という目標も達成し、充実の表情だった。

 

 ただその一方で、昨冬もそうだったように「課題も見えました」と、自身のプレーの出来に全く満足していないのも向上心の強い河村らしい。オフとなった決勝翌日の土曜日にも、疲れた顔一つ見せず、朝から体育館にやってきて仲間とともにシューティングで汗を流していた。高校の全国大会としては、ウインターカップがラストダンス。さらなる進化を遂げ、高校3年間の集大成となる舞台でも多くの人々を魅了するはずだ。

 

※インターハイ報道号は8月25日発売の月刊バスケットボール10月号! 「スタメン優勝座談会」や「井手口コーチと映像を見ながら振り返る山場の一戦」など、特別企画を掲載予定!

 

 

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(月刊バスケットボール)



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