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2021/04/26

神保康広(車いすバスケ、パラリンピック4回出場)ら4人のパラアスリートが『あすチャレ!メッセンジャー』オンラインシンポジウムに登壇

 日本財団パラリンピックサポートセンターは4月21日、パラアスリートが講師を務める『あすチャレ!メッセンジャー』オンラインシンポジウムを開催した。今回は『変化に柔軟な「個」と「組織」の作り方~パラアスリートから学ぶ、しなやかな発想力~』というタイトルで、6人の登壇者が講演とパネルディスカッションを行った。
 日本財団パラリンピックサポートセンターが主催する『あすチャレ!メッセンジャー』は、東京パラリンピックを控えパラアスリートへの注目が高まる中、「パラスポーツの普及に尽力したい」「多様性のある社会にしていきたい」という想いのあるパラアスリート等を対象にスピーチトレーニングを実施し、講師として派遣するプログラム。この日の登壇者には、「伝えるスキル」を体得したパラアスリート4人が含まれており、世界を舞台に競ったそれぞれの経験を基に、ダイバーシティ推進、SDGs達成、メンタルレジリエンス強化など現代社会の重要課題へのアプローチに対する考え方を紹介した。

 

シンポジウムは山脇 康日本財団パラリンピックサポートセンター会長のあいさつで幕を開けた(写真/©日本財団パラリンピックサポートセンター)


 シンポジウムはまず、山脇 康日本財団パラリンピックサポートセンター会長のあいさつで開会した。山脇会長は国際パラリンピック委員会の理事も務める中で感じた、パラアスリートを起点とする社会改革の可能性やSDGs達成のヒントについて語った。
 山脇会長のあいさつに続く最初の講演に登場したのは、パワーリフティングで女子55kg級日本記録を持つパラアスリートの山本恵理。『「チガイ」で生き抜くヒント。』をテーマに、パワーリフティングだけでなくパラ水泳、パラアイスホッケーと3つのパラスポーツを体験してきた山本が、人と違うことを受け入れ強みに変えて生きてきた体験を情熱的に語った。

 

パワーリフティングで女子55kg級日本記録を持つ山本恵理は他者との違いを強みとする考え方を情熱的に話した(写真/©日本財団パラリンピックサポートセンター)

 

 山本に続いて登壇したのは、日本財団パラリンピックサポートセンターが2017年10月から取り組んでいるパラアスリート向けスピーチトレーニングプログラムの開発に、プロボノとして参画したアクセンチュア株式会社のマネジング・ディレクターである中村健太郎。パラアスリートに共通する強みの一つであるレジリエンス(対応能力・柔軟性)に注目し、またコミュニケーションを取り持つプレゼンテーション能力の開発に関する経験を基に、『パラアスリートから学ぶレジリエンス それを支える「プレゼントレーニング」』をテーマとした講演だった。

 

中村健太郎の講演は『パラアスリートから学ぶレジリエンス それを支える「プレゼントレーニング」』がテーマ(写真/©日本財団パラリンピックサポートセンター)


 シンポジウムの最後に行われた『パラアスリートから学ぶ 見えない壁を超える力』と題したパネルディスカッションは、中村がモデレーターを務め岡﨑愛子(東京2020パラリンピック競技大会アーチェリー出場内定)、三阪洋行(車いすラグビー元日本代表)、神保康広(車いすバスケットボール元日本代表)の3人のパラアスリートが登壇して行われた。
 岡崎、三阪、神保はいずれも、予期せぬ不運な出来事により、ある日を境にそれまでとはまったく異なる人生に臨まなければならなかった経験を持つパラアスリートだ。3人は、心身両面における大きなチャレンジに立ち向かった勇気、周囲でサポートしてくれる人々とのやりとりなどをそれぞれの経験から話したが、それらのいずれもが、誰もが多くを学ぶことができる要素を包含していた。

 

2005年4月に起きたJR福知山線脱線事故で頸髄を損傷し、首から下にまひが残る岡﨑愛子は、2013年の冬に母のすすめで始めたアーチェリーで東京2020パラリンピック出場枠を獲得した(写真/©日本財団パラリンピックサポートセンター)

 

16歳のときバイクの事故で脊髄を損傷した神保康広は引きこもり生活も送った時期もあったが、車いすバスケットボールで世界を舞台に活躍した(写真/©日本財団パラリンピックサポートセンター)

 

高校時代、ラグビー部の練習中の事故で車いす生活となった三阪洋行は、車いすラグビーとの出会いから未来に向け進み出すことができたという(写真/©日本財団パラリンピックサポートセンター)

 

 3人のパラアスリートによるパネルディスカッションでは、極限的に厳しい状況下でスポーツが前向きな希望のひとつになったことが語られていた。周囲の人々とはわかり合えたこともなかなかわかり合えなかったこともあり、その過程には近しい人々との摩擦や友情のすれ違いも生じたという。しかしそれぞれのエピソードを聞くと、それらはすべてが乗り越えられるものだったことがわかる。また、パラアスリートだけではなく、さまざまな形で困難に直面している人に一声かけるというシンプルな行為の大切さも伝わってくる内容だった。
 この日の講演とパネルディスカッションには、ズームのチャット機能を通じたQ&Aで質問も活発に寄せられていた。困難を前にしても心折れずに前を向き、社会の一員として活躍の幅を広げ続けるパラアスリートの生き方に共感した聴講者が非常に多かった証しと言えるだろう。


☆日本財団パラリンピックサポートセンター公式サイト
https://www.parasapo.tokyo/
☆あすチャレ!メッセンジャー公式サイト
https://www.parasapo.tokyo/messenger/

 

アイキャッチ画像/©日本財団パラリンピックサポートセンター
文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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