月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2022.03.10

インタビュー:篠山竜青(川崎#7)「試練の中でどう過ごしたかはいつか必ず自分に返ってくる」

 97回目を数える伝統の大会、「天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会」は間もなく3月12日(土)にさいたまスーパーアリーナで決勝戦を迎える。対戦カードは昨年に続く連覇を狙う川崎ブレイブサンダースと、2019年以来の優勝を目指す千葉ジェッツの顔合わせとなった。


月刊バスケットボールでは、川崎の篠山竜青と増田啓介の2選手にインタビューの機会を得た。まずは、ファイティングスピリッツあふれるプレーでブースターを熱くする篠山の声をお届けしよう。

 

篠山 竜青(しのやま・りゅうせい)
川崎ブレイブサンダース#7
ポジション:ポイントガード
生年月日:1988年7月20日(33歳)
身長:178㎝
体重:75㎏
出身地:神奈川県
出身校:日本大学

 

©B.LEAGUE

 

大事な試合だからこそいつもどおり準備していく

 

月刊バスケットボール(以下BB):Bリーグの今シーズンここまでを振り返っていかがですか?

 

篠山:コロナ禍のリーグということでいろいろな制約もある中で、チーム内で陽性者が出てしまったり、ケガに伴う欠場者も出たりしながら、何とかここまで大崩れすることなくやってこられたかなとは思います。ただ、バイウイーク(国際大会や天皇杯開催に伴うリーグ休止期間)前、ホームでの群馬との2連戦で連敗してしまったところはすごく痛かったなと思います。しかし、その2試合でチームとしての課題が明確になり、伸びしろも見つかったので、ここからまだまだ一段階、二段階、成長できるチームだなというのは改めて感じることができた、そんな前半戦だったと思います。

 個人としては、長いシーズンの中で波はありましたけれど、大きなケガなくここまで欠場なしで戦えたことはすごく良かったなと思います。その中で、チームがさらに強くなるために自分ができることがより明確になったので、後半戦がすごく楽しみですし、もっともっとチームの勝利に貢献できるという手応えを感じています。

 

BB:コロナ禍の中でのシーズンも3季目となりましたが、バスケットも含めた日々の生活との向き合い方に、何か変化はありますか?

 

篠山:どれだけ気を付けていても、防ぎようがないという状況になってきました。チームも、その家族も含めて、みんなでやれることをやっていく。そのうえでなってしまったときは本当に仕方ありません。いろいろな制約がありますが、そのときどきでできることに最善を尽くし、コツコツ積み重ねるしかないんだろうな…という思いでいます。本当に“コロナありき”でのシーズンというものに本格的になってきているなと感じています。

 

BB:川崎ブレイブサンダースといえば、これまで様々な形でファンとの交流を図ってこられましたが、直接触れ合うことが難しい今の状況にもどかしさを感じているのでは?

 

篠山:川崎はソーシャルメディアを使いながらファンの皆さんと交流を持てるようにと、いろいろなアクションを起こしてやってきています。オンラインでのイベントだったり、1対1でトークをしたり、できる範囲でファンの皆さんと交流を図るのはプロとしてとても大事なことだと思っています。ただ、個人の思いとしては、そういったことをやればやるほど、直接会ってコミュニケーションを取れていた以前の生活に早く戻りたいな…という思いは、正直、強くなりますね。

 

BB:間もなく連覇を目指す天皇杯決勝を迎えます。おそらく「タイトルを守る」という意識よりも、「もう一度獲りにいく」という攻めの気持ちが強いのではないかと思いますが、どんな思いで準備をされていますか?

 

篠山:特別なことはなくて、本当に積み重ねのものだと思うので、今まで積み重ねてきたものが出せればいいなと思いますし、大事な試合だからこそいつもどおり準備していくことに気を付けています。連覇は、気付かなかったというか(笑)、誰かが「連覇をかけて」と言っていたのを聞いて気付いたくらいで、去年優勝したことさえも半分忘れていました。天皇杯って、Bリーグのレギュラーシーズンの間に行われるので、優勝しても実はあまり余韻に浸ることができない大会なんです。そういう意味では、連覇はまったく意識していません。ただ、3年連続で決勝戦に進むことができているので、それは本当にチームの力、地力があるチームなんだというのは改めて感じているところです。

 

 

いろんなことを楽しんでトライしていこう!

 

BB:今、着用されているシューズ『UNPRE ARS(アンプレアルス)』について、特に気に入っているのはどんな部分ですか? また、ご自身のプレースタイルとのマッチングについてはいかがですか?

 

篠山:一番は、横の動きに対するシューズのホールド力、安定性が気に入っている点です。最初はなかなかインパクトのあるデザインだなと思いましたが、『UNPRE ARS』は激しい動きに対しても足の力をしっかりコートに伝えることができ、また試合中によくある逆方向への動きをアシストしてくれます。自分のイメージどおりにダッシュができ、そして踏ん張りが効くシューズになっているので、そこが非常に気に入っているポイントです。

 

BB:シューズを選ぶ際、特に重要視されているのはどんな点ですか?

 

篠山:自分のバスケットのスタイルとしては、縦はもちろんですが、横の動きが非常に多いポジション(ポイントガード)なので、横の動きに対してシューズがいかにサポートしてくれるかというのが僕にとっては一番のポイントになります。横の動きで力が逃げてしまうと、プレーに支障が出るのはもちろん、ケガにもつながりやすいので、そこが本当に重要なポイントです。『UNPRE ARS』のように、激しい動きをサポートしてくれる強度としなやかさがあり、シーズン中の連戦を考えると、疲労がなるべく溜まらないよう軽量であることも大事です。

 

BB:最後に、月刊バスケットボールには非常に多くの中高生の読者がいます。間もなく迎える新年度に不安も期待も入り混じる季節ですが、そんな中高生たちに、ぜひ元気の出るメッセージをお願いします。

 

篠山:世の中がコロナに振り回されている状況ですけれど、その中でやれること、楽しめること、探せばたくさんあると思います。大人になると様々な理由を付けて諦めてしまいがちですけれど、若い時のエネルギーというのは、世界を変えたり未来を変えたりするパワーを持っていると思います。だから、日本の未来を担う、スポーツの未来を担う皆さんには、コロナに負けず、常に前向きなエネルギーを持って、学校生活やスポーツに取り組んでいってほしい! コロナという試練の中でどうやって過ごしたかというのは、いつか必ず自分に返ってくる、成長の糧になると思うので、それを信じて、いろんなことを楽しんでトライしていってほしいなと思います。

 

 

協力:アシックスジャパン

(月刊バスケットボール)



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