月刊バスケットボール5月号

大学

2021.12.10

【インカレ2021】早稲田大の猛追を振り切って、東京医療保健大が5連覇に王手(女子)

 大学日本一を決めるインカレ(全日本大学選手権大会)は終盤を迎え、今日10日、女子は準決勝を迎えた。

 

 関東1位で、インカレ5連覇を目指す東京医療保健大は、関東4位の早稲田大と対戦。1Qは、ルーキー♯23江村優有がドライブでゴール下に切り込んでのゴールで早稲田大が先制する。しかし東京医療保健大は191㎝の♯8ジョシュア・ンフォノボ・テミトペにボールを集め、ゴール下の連続得点で瞬く間に同点、そして逆転。さらに、小刻みな交代でコートに立つ選手たちがしっかりと機能することで早稲田大に攻守の的を絞らせず、10‐10の同点から22‐10へと一気に突き放した。早稲田大も♯江村が3Pシュートを決めるなど、何とか東京医療保健大の流れを止めようと奮闘するが、終わってみればこの1Qは東京医療保健大が31‐15とダブルスコアでリードを奪った。

 


攻防で激しくしのぎを削った東京医療保健大と早稲田大


東京医療保健大の序盤のリードに貢献した♯8ジョシュア・ンフォノボ・テミトペ

 

 出場時間を分担することで疲労が少なく、常にフレッシュな状態でコートに立ち、攻防の強度を維持する東京医療保健大に対し、早稲田大の選手たちには1Qを終えて早くも肩で息をする姿も見られた。

 

 ともにディフェンスが激しさを増した2Qは、1Qと比べて得点がやや停滞。そんな中、早稲田大は♯34今井美沙樹、♯3フェスタ―ガード・ヤヤらの奮闘で僅かながらも差を縮め、東京医療保健大の49‐36で前半を折り返す。

 

 3Qも趨勢は変わらないものの、運動量の落ちない東京医療保健大は早稲田大に連続得点を許さず、また♯7洪潤夏、♯1古木梨子らの3Pシュートで効率よく加点し、72‐53と再びリードを広げてこのクォーターを終えた。

 

 迎えた最終4Q。19点差を跳ね返すべく、早稲田大が本気で勝ちをもぎ取りにゆく姿勢を見せる。♯3ヤヤが、火の出るような勢いでドライブからゴール下に切り込み連続得点を決めれば、♯23江村も針の穴を通すような正確さで3Pシュートを連発。一時は86‐74と12点差まで迫ったが、東京医療保健大はここからキャプテン♯12木村亜美の得点を起点に、♯7洪の3Pシュート、そして♯1古木による連続得点で突き放し、最終スコア、96‐76で勝利。インカレ5連覇へ向けて決勝進出を決めた。

 


最終4Qでの反撃に勢いをつけた早稲田大♯3フェスタ―ガード・ヤヤ


早稲田大はルーキー♯23江村優有の奮闘も印象的なものだった


早稲田大の猛追にも慌てることなく、最後は試合を締めた東京医療保健大のキャプテン♯12木村亜美

 

 東京医療保健大は15名のメンバー中、13名がコートに立ち、最も出場時間が長い♯22林真帆でも27分16秒。一方の早稲田は9名がコートに立ち、♯3ヤヤと♯34今井の出場時間は37分を越え、また♯23江村も32分を越えている。しかし、連戦の疲労を跳ね返し、早稲田大が見せた“最後の一瞬まで勝ちを取りにゆく”姿勢は、インカレならではの熱を帯びたもので、見る者を大いに魅了した。

 

 もう一つの準決勝は、関東2位の白鷗大が東海1位の愛知学泉大を79‐56で下して決勝進出。明日(11日)、東京医療保健大と顔を合わせる。両校による決勝はこれで3年連続。白鷗大が勝てば、初優勝を飾った平成28年以来、5年ぶり2度目となる。

 


チームハイの17点を挙げ、白鷗大の決勝進出の原動力となった♯7鈴置彩夏


愛知学泉大の♯2鬼塚彩乃は3Pシュートで5/10と奮闘。チームに士気を注ぎ続けた


年ぶりの4強進出となった愛知学泉大。明日(11日)は早稲田大との3位決定戦に挑む

 

取材・文〇村山純一
写真〇山岡邦彦

 

(月刊バスケットボール)



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