月刊バスケットボール5月号

メンバーの意思疎通はグループLINEで/3x3 JAPAN TOUR 2021 EXTREME FINAL 女子優勝:PERITEC Inter Oizumi

 4月から全8ラウンドが戦われた「3x3 JAPAN TOUR 2021 EXTREME」。そのシーズンチャンピオンを決定するファイナルラウンドが11月13日、14日に国立代々木競技場第二体育館(東京都渋谷区)で開催された。

 

 初日は3グループに分かれてのプール戦を実施、2日目は各プールの1位チームと、各グループ2位チームの中で戦績(平均得点)最上位のチーム、計4チームによるトーナメントで頂点を争った。

 

 女子決勝は、今ツアーランキング4位のPERITEC Inter Oizumiと、同ツアー2位のTOKYO DIMEが対戦。開始早々、PERITEC Inter Oizumiが♯1岡田麻央のジャンパーで先制すると、♯28小沼めぐみの2Pも決まり序盤をリード。その後、一時的に同点に追い付かれる場面はありながらも、PERITEC Inter Oizumiがチーム一丸となった激しいディフェンスでTOKYO DIMEの攻勢を封じ、見事初優勝に輝いた。

 

 

 

 

優勝したPERITEC Inter Oizumi。

写真左より♯6安江舞、♯37大橋実奈、♯28小沼めぐみ、♯1岡田麻央

 

 

 MVPに輝いたPERITEC Inter Oizumiの♯1岡田は表彰式でこうコメントした。
「私たちは2年目のチームで、メンバーみんな緩い子たちなので(笑)、最初は『大丈夫かな…』というところから始まりました。でも、本当にいろいろな方に支えられ、そして『みんなで勝ちたい!』という気持ちがどんどん強くなってきて、この2年間の間に緩い子たちに闘争心が生まれました」

 

 今大会、PERITEC Inter Oizumiの戦いは、初日のプール戦はまずKUKI GYMRATS に22-11とノックダウンで勝利を収めた後、続くREXAKTには11-10とロースコアな接戦に競り勝つというアップ&ダウンの激しい勝ち上がり。そして2日目は、準決勝のYAIZU GR UNITEDに17-11、決勝のTOKYO DIMEに14-12と、相手の攻撃を必死で抑えつつ、自らはコツコツと地道に得点を重ね、10分間をフルに戦い切っての優勝だった。

 

 メンバー4人はいずれも30歳前後と年齢は近いが、その中でも最年長としてチームをまとめた岡田は、「最初はふんわりしたチームだったのが、どんどん固まり、しっかりとしたチームになってきて、“日本一”というものに手が届くかもしれないという自信もついてきての、このファイナルの優勝でした」と振り返る。「今ツアーを通しては、本当にダメだった時もあり、すごく悔しくて、みんなどうしようもなく眠れない時もあったのですが、そういう思いをしてきたからこそ、最後の場で強い思いが出せました。チームとしての成長がすごくうれしかったです。TOKYO DIMEさんとの決勝は、もちろん強豪ですし手強い相手ですが、私たちは元々チャレンジャー。絶対に負けない、相手を倒すという気持ちはメンバーで共有できていました」。

 

仲間を勇気づけるアグレッシブなプレーと、チームに一体感を醸し出す笑顔で、

決勝では接戦ながら最後までリードを保つ見事な戦いぶりを見せた♯1岡田

 


新型コロナウイルス感染症の拡大は収まってきたとはいえ、コート外におけるチームメイトとのコミュニケーションにも最深の注意を払った。
「昨日(大会初日)からずっとグループLINEで、『こうしよう、ああしよう』と言い合い、『本当にみんなで頑張ろう!』という気持ちでまとまっていました。会場に来てからも、『気持ちでは負けない!』『ディフェンス、リバウンド、ルーズボール!』と声をかけ合って、今日は本当に気持ちも集中力も高まっていたと思います」

 

 来シーズンのチーム構成は未定だが、「本当にいいチームなので、来年もこのまま同じメンバーで戦って、また優勝できたら最高だな…と思います」と、岡田は優勝の喜びの余韻に浸りながら語った。


取材・文/村山純一(月刊バスケットボール編集部)
写真/山岡邦彦



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