月刊バスケットボール5月号

女子展望/桜花学園、岐阜女の2強に割って入るチームが現れるか!?【インターハイ2021】

岐阜女(岐阜)

 

 昨年はコロナ渦で中止となったインターハイがこの夏、2年ぶりに開催される。今年は男女で日程をずらし、女子は新潟市を舞台に8月10日に開幕予定だ。

 

 2年前の前回大会、女子決勝を戦ったのが桜花学園(愛知)岐阜女(岐阜)。実は近年のインターハイは2015年から5大会連続でこの2チームが決勝で顔を合わせている。他チームとは一線を画す“2強”として、今年もともに優勝候補であることは間違いないだろう。

 

桜花学園(愛知)

 

 6月に行われた東海大会では、岐阜女が74‐69で桜花学園相手に逆転優勝を飾った。昨年からメンバーは大きく入れ替わったものの、脚力を生かしたディフェンシブなカラーは継承され、オフェンスでは#6藤澤夢叶を中心にそれぞれが果敢にリングに向かう。見据えるのは2017年の初優勝以来となる夏の頂点、ただ一つだ。

 

 ただ、桜花学園岐阜女との実力差はほとんどない。東海大会を振り返り「経験の無さが露呈しました。ファイティングスピリットが感じられなかった」と井上眞一コーチは辛口だが、インターハイ本番に向けてこのままでは終わらないはず。昨冬の優勝をスタメンで味わった#4朝比奈あずさを軸に、課題を修正して全国舞台に挑むだろう。

 

明星学園(東京①)

 

 この“2強”に割って入りそうなチームとして、まず挙げたいのが激戦区の東京都を制した明星学園(東京①)。交互に出てくる2人の留学生、#85アダム・アフォディア(193cm)と#47アディクペ・エスター(185cm)の高さはどの相手にとっても脅威なはずだ。また、この明星学園と同じトーナメント左下の山には、近畿大会を制した京都精華学園(京都)が入った。個々のスキルが高いチームだけに、もし準々決勝で両者が対戦することになれば、明星学園の巧みなディフェンスを京都精華がいかに切り崩せるかがポイントとなるだろう。

 

京都精華学園(京都)

 

 地元・新潟県代表として出場する開志国際(新潟①)も、今大会に並々ならぬ思いを懸ける注目校の一つ。6月の北信越大会決勝では、残り1分で7点差を追い付き延長戦で勝利するなど驚異の粘り強さを披露した。順当に勝ち上がれば準々決勝で岐阜女と対戦する可能性が高く、強敵相手に全力で立ち向かいたいところだ。

 

開志国際(新潟①)

 

 同じトーナメントの左側では、特に左下に昨年のウインターカップで3位に入った高知中央(高知)や、伝統校の大阪薫英女学院(大阪①)昭和学院(千葉)といった強豪が集結。過酷な激戦区を勝ち上がったチームは、勢いそのままに上位回戦に臨めそうだ。

 

高知中央(高知)

 

大阪薫英女学院(大阪①)

 

昭和学院(千葉)

 

 どこのチームも、コロナ渦でなかなか練習試合ができないまま臨む夏。その分、試合を重ねながら伸びていくチームや、大物食いのアップセットを果たすチームが現れるだろう。熱戦必至の女子インターハイから、目が離せない。

 

(月刊バスケットボール)



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