月刊バスケットボール6月号

U19日本代表組が合流し、舞台はメインコートへ!【インターハイ2021】

#13岩下准平(福岡大附大濠

 

 新潟県長岡市で開催中のインターハイ男子。大会4日目を迎えて今日からメインコートとなり、ベスト4進出を懸けて準々決勝が行われた。次のステージに駒を進めたのは福岡大附大濠(福岡)中部大第一(愛知①)仙台大明成(宮城)帝京長岡(新潟①)という顔ぶれ。東海大付諏訪(長野)北陸学院(石川飛龍(静岡)前橋育英(群馬)はベスト8で姿を消すことになった。

 

 この準々決勝から、U19日本代表に選ばれていた4人の選手が大会に合流した。福岡大附大濠の#13岩下准平と#8川島悠翔、仙台大明成の#8山﨑一渉と#10菅野ブルースだ。4人は大学生に交じってU19日本代表に選ばれ、7月初旬に開幕したFIBA U19ワールドカップに出場。その後、感染予防の措置として2週間の隔離期間を経て、前日27日の夕方に新潟入り。ワールドカップ前の強化合宿から合わせて、チームに合流するのは約1か月半ぶりになる。

 

#8川島悠翔(福岡大附大濠

 

 このうち福岡大附大濠の#13岩下と#8川島は控えからの登場。1年生の#8川島は最初こそボールが手につかずにファンブルする場面があったが、時間が経つにつれ落ち着きを取り戻した。一方、ゲームキャプテンでもある#13岩下は、片峯コーチいわく「まだ本来の彼の持ち味であるトランジションにはあまり絡めていない」と本調子ではないものの、要所要所で好プレーを披露。#13岩下と、初戦からスタメンPGを務めてきた#10本山遼樹を同時起用する時間帯もあり、「2ガードはこれまでにない初めての形ですが、手応えもあります」と片峯コーチ。#13岩下の加入で周りの選手たちの動きも良くなり、数字以上にその働きぶりは大きかったと言えるだろう。対戦した東海大付諏訪の入野貴幸コーチも「あの2人が戻ってきて、ほかの選手も安定感が違う。特に岩下君がコートに入ると、守るべきところが一つ、二つ増えてなかなか難しかったです」と舌を巻いていた。

 

 一方、仙台大明成では#8山﨑、#10菅野ともにスタメンで登場。佐藤久夫コーチから「あまり気負い過ぎるな」とアドバイスを受けたという#8山﨑が、開始早々のバスケットカウントから連続得点を挙げて序盤からチームをけん引。また、#10菅野も要所で3本の3Pシュートを決めて23得点。帰国後の2週間はシューティングが全くできなかったというが、変わらぬ柔らかなシュートタッチで懸念を払拭した。

 

#8山﨑一渉(仙台大明成

 

#10菅野ブルース(仙台大明成

 

 U19ワールドカップは全敗という悔しい結果に終わったが、「高さとフィジカルは日本では味わえないレベルを体験できたので、そこは日本で自信を持ってプレーしたいです」と#8山﨑が語るように、大舞台でそれぞれ得たものは計り知れない。チームの救世主となるか、準決勝でも日の丸を背負ったエースたちの活躍に注目したい。

 

取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

写真/松村健人



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