月刊バスケットボール5月号

【高校バスケ】注目チームが下位回戦から激突! 関東大会女子プレビュー

 来たる6月12〜13日、群馬県前橋市で関東高等学校女子バスケットボール大会が開催される。

 

 先週開催された男子と同じく、コロナ禍で関東新人大会が中止になった今年は今大会が関東ブロックのチームにとって久しぶりの県外との公式戦。A・Bブロック別トーナメント方式で計32チームが集い、チームの出来栄えを試しながら勝利を目指す。なお今年は決勝および3位決定戦は行わず、準決勝を終えた時点で閉幕となる。

 

 開催地・群馬県の関東予選を、圧倒的な強さで制したのが桐生商。県予選の5試合で平均123.4得点と、高いオフェンス能力を遺憾なく発揮した。中でも1年生の頃からエースとして活躍し、最上級生になった今年はキャプテンを務める#22堀越梨々夏は、得点力もさることながら168cmでPGの役目も果たす注目選手。2020年の関東新人大会ではチーム史上初の関東ベスト4進出を果たしたが、今年は地元の利を生かしながらさらなる飛躍を見据えている。

 

桐生商(群馬)

 

 今大会の第1シードは、激戦区の東京都で優勝を果たした明星学園。関東予選の準決勝では八雲学園を88‐81、決勝では東京成徳大を82‐76という接戦で制して1位通過を果たした。キャプテンを務め、攻防の要となるのが#33菅野響。また攻撃型PGの#58酒井杏佳と193cmの高さを誇る#85アダム・アフォディヤによるホットラインも、相手にとっては脅威だろう。昨年は4点差で都の4強入りを逃してウインターカップには出られなかった。日の目を見なかった1年間の悔しさを糧に、椎名眞一コーチから引き継いで昨年度から指揮を執る張一コーチの下、どのような戦いを見せるか注目したい。

 

明星学園(東京)

 

 また、その明星学園に接戦で敗れた東京2位の東京成徳大も、今大会の優勝候補の一角であることは間違いない。3年生の人数は少ないが、昨年のウインターカップ準優勝にも大きく貢献した#4佐坂光咲や#5古谷早紀が、下級生も多いチームをけん引するだろう。

 

東京成徳大(東京)

 

 その東京成徳大は、互いに1回戦を突破すれば2回戦で千葉県1位の名門・昭和学院と対決する。昭和学院は昨年のウインターカップ、岐阜女相手に金星を挙げるも、続く準々決勝で高知中央に敗れ悔しいベスト8敗退となった。その悔しさをコートで味わった#8花島百香や#9田嶋優希奈、キャプテンの#4西ファトゥマ七南らを中心に、雪辱に懸ける思いは強そうだ。

 

昭和学院(千葉)

 

 東京3位の八雲学園も同じく3年生の少ない下級生チームだが、都予選で明星学園に肉薄するなど侮れない存在。中でも昨年のウインターカップで主軸の一人として活躍した#4久米田琉菜は、得点だけでなく173cmの高さを生かしたリバウンドやアシストでチームの潤滑油となる。その八雲学園は、互いに1回戦を勝てば2回戦で鵠沼と対戦。鵠沼は堅いディフェンスで神奈川県予選を制した。昨年のウインターカップで経験を積んだ#4吉田歩加、#6横山季晴、#7後藤葉の佳といったメンバーが躍動するか。

 

八雲学園(東京)

 

鵠沼(神奈川)

 

 コロナ禍とあってどのチームもまだまだ実戦経験は浅い上に、下級生主体のチームも少なくなく、その実力は未知数。下位回戦から熱戦は必至だ。

 

(月刊バスケットボール)



PICK UP