月刊バスケットボール5月号

中学(U15)

2021.01.05

【Jr.ウインターカップ】妹はテニスをしたかった? 双子の阿部姉妹の活躍でEarnestが接戦を制する

試合開始直後から大きく点差が開くことなく、第4Q残り6分20秒で57‐57の同点の大接戦となったEarnest(宮城)×日本体育大学桜華中学校(東京)の対戦。

 

 このうちEarnestの得点源は、この試合18得点を挙げた#11阿部心愛(姉)と、22得点を稼いだ#12阿部友愛(妹)の双子の姉妹(ともに身長は172㎝)。また、2人にディフェンスが集中したときは#4宮下がミドルシュートやリバウンドシュートなどで加点するというバランスの良さを見せていた。

 



姉の#11阿部心愛 妹の#12阿部友愛

 

 一方の日本体育大学桜華中学校は、#4世森が力強いドライブを見せただけでなく、リング下の#8山田に的確なパスを供給することで対抗。さらにこの日3本の3Pシュートを決めた#5中村も20得点をたたき出し、Earnestに食らいついていた。

 



ゲームをコントロールした#4世森 リング下で力強さを見せた#8山田

 

 一進一退のまま進んだ試合だったが、#11阿部心愛の華麗なステップからのシュートと#5安江のスティールからのドライブで、残り1分16秒で71‐65とリードしたのはEarnest。が、日本体育大学桜華中学校も#11新井のドライブ、#4世森のフリースローで69-71と2点差まで迫っていく。

 

 その後、残り12秒で#12阿部友愛がフリースローを得るが「決めなきゃと思ったけれど、2本とも外れちゃいました」という結果に。そのこぼれたボールをリバウンドで得たのは日本体育大学桜華中学校で、残り5秒で#4世森がドライブからシュートを放つが、これがリングに弾かれて終了。Earnestが2点差で逃げ切った。

 

山田と競りながらリバウンドを取りに行く阿部姉妹

 

 チームの勝利に貢献した阿部姉妹のうち姉の心愛は小3のときにバスケを始めたが、妹・友愛はテニスをしたかったこともあり最初はバスケに興味を示さなかったという。それが、姉・心愛のチームのメンバーが足りなくなり助っ人で出たところ、バスケが楽しくなって小4でミニバスチームに入部したという経緯がある。

 

 バスケになると妹・友愛が姉のことを「レベルが高いので尊敬している」と言えば、姉・心愛も妹のことを「技術があって私より1対1がうまい」と評価。お互いを認め合っているが、普段の生活では「姉のほうがしっかりしています。私が携帯をいじっているときに、姉は勉強しています」と妹・友愛。それについては姉・心愛も「ふわふわしていて、どこに行くかわからない感じ」と同意している。そんなメリハリの利いた双子を擁するEarnestは、明日の3回戦、四日市メリノール学院中学校と対戦する。

 

写真/JBA

取材・文/高木希武(月刊バスケットボール)



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