月刊バスケットボール6月号

【ウインターカップ2020】「えっ、2Pでいいのに3P?」というブザービーターを決め切った佐坂の強心臓

[東京成徳大 96‐94 安城学園]

 

 “息詰まる攻防”“手に汗握る展開”というのは正にこの試合のことを言うのだろう。

 

 第1Q、東京成徳大が#10佐坂や#6須田の3P、#7古谷の技ありフックシュートで得点すれば、安城学園は#6美口、#11伊藤、#8近藤京の3Pで対抗。このQは東京成徳大が26‐22とリードするが、第2Qになると#7近藤はづきのドライブや3Pで安城学園がすぐに追い付き、その後は一進一退の展開に。

 

 試合が動いたのは第2Qの中盤から終盤にかけて。安城学園の得点が止まっている間に、東京成徳大は#10佐坂、#7古谷、#6須田、#8小島が躍動。前半を終えて51‐39とリードを奪うことに成功する。

 

試合の要所で東京成徳大を勢いづける活躍を見せた♯10佐坂

 

 その後の3Q、ここでは点差が大きく広がったり縮まったりすることなく試合が進み、東京成徳大の13点リードで迎えた第4Q。それまでの流れを一変させたのが安城学園のオールコートプレスで、東京成徳大にプレッシャーをかけボールを奪うことに成功。攻めては、#5齋藤の3P、#7近藤はづきの果敢なドライブで、残り6分43秒で78‐78と追い付くことに成功する。

 

安城学園をけん引する果敢なプレーを見せた♯7近藤

 

 そこからは見ているだけで神経をすり減らすようなギリギリの攻防が続く。追い付いた安城学園が#7近藤はづきのドライブで4点差を付けたかと思えば、東京成徳大は#7古谷、#4山田のシュートで追い付き、安城学園#6美口が3Pを決めれば、東京成徳大#6須田が3Pを決め返し、残り1分10秒で91‐91の同点に。

 

 そして迎えた最終盤、安城学園が3本のフリースローを決め94‐91とリードするが、残り14秒で東京成徳大#4山田がドライブを決め1点差。それでも攻めるのは安城学園で、試合終了までボールを保持すればよかったのだが、ここで東京成徳大#7古谷がスティールに成功。そのまま攻めて2Pでも逆転だったが、何とブザービート寸前に3Pシュートを放ったのは#10佐坂。その#10佐坂がこの日4本目となる3Pを見事に沈めた瞬間、タイムはO秒に。飛び跳ねて喜ぶ東京成徳大メンバーと、うなだれる安城学園メンバーの姿があまりにも対照的だった。

 

勝利が決まった瞬間、喜びを爆発させる東京成徳大の選手たち

 

写真/JBA
取材・文/高木希武(月刊バスケットボール)



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