月刊バスケットボール8月号

大学

2020.12.11

【インカレ2020/女子準決勝】鉄壁ディフェンスを見せた東京医療保健大と多彩な攻撃力を見せた白鷗大が快勝

守ってよし、攻めてよしだった東京医療保健大

 

 関東リーグの上位4校がそのまま4強に入る結果となった今回のインカレ女子。準決勝は、東京医療保健大(関東2位)×筑波大(関東3位)、白鷗大(関東1位)×拓殖大(関東4位)というカードになった。

 

 このうち最初に行われたのは東京医療保健大×筑波大の一戦。10月11日のリーグ戦では東京医療保健大が119‐64で勝利しているが、今回もそのリーグ戦同様、主導権を握ったのは東京医療保健大。恩塚亨監督が「相手が嫌がることができました」と言う通り、ペイント内へのダイブをほとんど許さない鉄壁のゾーンディフェンスを敷く。またリバウンドも身長191㎝の#8ジョシュアンフォノボ テミトペを中心にほぼ支配し、相手に連続攻撃を許さない。第2Qで筑波大の得点をわずか3点に押さえ込んでみせたのが、その真骨頂だろう。

 

東京医療保健大の鉄壁の守りに阻まれた筑波大

 

 中へのアタックをほぼ封じられた筑波大は外角からのシュートに頼る形になるが、無理な体勢から打たされるためリングに嫌われることが多く、思うように得点できない。それでも試合終盤で#13田中万衣羽がドライブや3Pで連続得点したのは、明るい材料だった。

 

 一方の東京医療保健大は攻めては#8テミトペが12得点、#1古木梨子、#2赤城里帆、#5パレイのりこが11得点、#3崎原成美が8得点、#12木村亜美が7得点、#25伊森可琳、#77岡本美憂が6得点と、コートに出てくる選手がそれぞれ自分の持ち味を発揮し効率よく加点。結局、81‐48で東京医療保健大が快勝した。

 

速いテンポで拓殖大を振り切った白鷗大

 

 続いて行われたのが、白鷗大×拓殖大の試合。リーグ戦で78‐103で敗れている拓殖大としては一矢報いたいところで、第1Qは14‐26と差を付けられたが、第2Qでは各選手が奮起。#33古野美希の果敢なドライブ、厳しいマークを受けながらも3Pを決めてみせた#14吉田舞衣、#23バイクンバ ディ ヤサンのリング下などで34‐41と7点差まで詰め寄る。

 

 そして迎えた第3Q、序盤で#15佐古愛が3Pを決め拓殖大が38‐43と5点差まで迫るが、ここから試合の流れが一変。そのキッカケとなったのが白鷗大の#4神﨑璃生、#7今村優花の身長156㎝のコンビが作り出す速い展開で、リズムをつかんだ白鷗大が試合の流れを掌握。佐藤智信監督が「持ち味のスピードと持久力を出すことができました」というように第3Qで65‐48と差を付けると、第4Qでは足が止まった拓殖大を尻目に、外から#4神﨑、#7今村、#9大竹優香子、#13鈴置彩夏が3Pを射抜けば、中では#15三浦舞華、#16田中平和、#20シラ ソハナ ファトージャが加点。多彩な攻撃力を見せた白鷗大が87‐60と突き放す形で勝利した。

 

後半、脚力が落ち付いていけなかった拓殖大

 

 これで明日の決勝は白鷗大×東京医療保健大というカードに。両校がインカレ決勝を争うのは昨年に続き2年連続。東京医療保健大が4連覇を達成するのか、白鷗大が4年ぶり2度目の栄冠獲得となるのか。リーグ戦では1点差で白鷗大が勝っていることを考えると、見逃せない一戦となる。

 

(月刊バスケットボール)



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