月刊バスケットボール6月号

【WINTER CUP HISTORY vol.1】高校界をけん引した河村勇輝。重圧をはねのけ冬の連覇達成!

 

 昨年1月、特別指定選手としてB1史上最年少デビューを飾り、先日Bリーグ2020-21シーズンの特別指定選手として横浜ビー・コルセアーズ入団を発表した河村勇輝(東海大1年)。圧倒的なスピードと抜群のパスセンスを持ち、速い展開を演出して試合を支配するポイントガードだ。

 

 ミニバス、中学と全国大会でも活躍してきた河村だが、特に頭角を現したのが高校時代。1年時(2017年)のウインターカップ準決勝、ライバル・福岡大附大濠に敗れて「一生忘れられない」ほどの悔しさを味わって以来、河村は目の色を変えて練習に取り組むように。課題だった3Pシュートも猛練習によって武器に変え、2年時のウインターカップで頂点に立って1年越しの屈辱を晴らした。

 

 そして2019年、3年間の集大成の場として迎えた高校最後のウインターカップ。福岡第一は優勝候補の大本命で、中でも河村はそのエースとしてどこのチームからもマークされていた。創部史上初の連覇が懸かっていることもあり、「緊張というかプレッシャーというか…そういう重圧は大きかったです」と河村。

 

 それでも、いざ大会が始まると福岡第一の強さは揺るがなかった。各々が自らの役目を全うして他校の挑戦を退け、大濠との決勝戦にも75-68で勝利。冬の連覇を果たし、河村は「本当にホッとしました」と有終の美を飾った。

 

 重圧を跳ね返すことができたのは、周りの支えと、日々の練習に裏付けられた自信があったからだろう。河村は「仲間も頑張ってくれたし、応援の方々のサポートもあった。みんなのおかげでプレッシャーを打ち破ることができました」と語るとともに、「この1年間、どこのチームよりも練習を頑張って、みんなでバスケットに向き合ってきたことが自信につながりました」と胸を張った。

 

 また、優勝してなお「高校バスケはここで終わりましたが、自分としてはここが終わりではないですし、ここがピークでもない」とも。その言葉を証明するかのように、その後のBリーグや大学での活躍は周知の事実だ。飽くなき向上心を持つ河村にとって、冬の連覇は先につながる重要な通過点となった。

 

 横浜の入団会見で河村は、ウインターカップ期間中の12月26日に予定されているデビュー戦について、「勝利に貢献し、高校生に元気を与えられるようなプレーがしたい」と意気込みを語った。連覇を飾ったウインターカップから1年、自身の成長ぶりを披露するデビュー戦に注目したい。

(月刊バスケットボール)



PICK UP