月刊バスケットボール5月号

【好評連載中!】『今週の1枚』 ~月刊バスケットボール編集部が過去に掲載してきた写真の中から1枚を厳選。当時の出来事や選手たちの活躍ぶりを振り返る(41)~

 このコーナーでは、今まで月バスが掲載してきた写真の中から、編集部が独自の感覚で1枚をピックアップ。その当時の記事をもとに、選手たちの活躍ぶりを振り返ります。 

 今週はこの1枚を紹介!

 

夙川学院高校

(1983年2月号)

 

 

 

 ~監督談~ 松本 和郎監督

「苦しい時こそよりファイトせよ」 これが夙川バスケットの根底だ

 

 夙川バスケットの特徴は、精神的なもの、マナーやまじめさが基本となっています。勝つための練習を通して人格向上、人間形成を行わなければなりません。毎日の練習で口やかましく言うのは、プレーの結果ではなく、プレー以前の気持ちの持ち方に対してです。テクニック以前の弱気、さぼる、くさる。精神面や充実していないプレーに対して注意をしています。

 人間というのは、とかく自分の限界を計算して自分はこれだけしかできないと決めつけてしまいがち。そうではなく、少しでも限界を伸ばし、高めるため努力し挑戦する姿勢が必要じゃないでしょうか。私は個人の可能性を伸ばすため、プラスの暗示を与えています。特に、女子の指導の場合、“叱責と賞讃”の使い分けがポイントになります。自分のできる範囲のことをやらなければキビしく怒り、限界を高めようと努力する姿勢に対しては結果がどうであれそれを評価します。ほめるタイミングは難しいですが、人前より陰でほめるようにしています。

 

 私の座右の銘は、「試練を耐え忍ぶ者は幸いである」という聖書中の言葉です。これは夙川バスケットの根底に通じています。苦しい時こそいじけずそのプレッシャーをはねのける。負けた時の悔しさに比べれば、毎日の練習の方がまだ楽。それに耐えて頑張ろうということです。過去25年間振り返って苦しいことの連続でした。小さい選手が多いので、練習の7、8割はディフェンスに割いています。ディフェンスは『ガンバリズム』が基本。今後も、強い者に向かう気迫を忘れず、粘る“夙川魂”を徹底して植え付けていきたいと思います。

 

 来週もお楽しみに!

 

(月刊バスケットボール)



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