月刊バスケットボール6月号

【ウインターカップ2019】2年ぶりに冬の舞台に帰ってきた洛南のエース、星川堅信

 名門・洛南(京都②)が全国の舞台に帰ってきた。2017年の冬、3回戦の明成戦でわずかに3点及ばず敗れてから2年。それ以降は府内のライバルである東山に阻まれ、全国大会に出場できていなかった。それだけに当時から主力としてプレーしてきた#5星川にとっても、このウインターカップは念願の舞台だった。

 

 初戦の相手は鹿児島県代表の川内。序盤から試合のペースを掴むと全国初出場の2年生、#8淺野や#9小川らが躍動。川内に追い上げられる場面も見られたが、その度にゾーンディフェンスで流れを断ち切り、91-74で2年ぶりの全国1勝を手にした。

 

久しぶりの全国の舞台で緊張もあったという

 

「あのとき(明成戦)のことが頭に浮かびました」と星川。当時は30分近くプレーしながら無得点。泣き崩れる先輩たちを見て、本人も涙が止まらなかった。そんな過去があったからこそ「(コートに入った瞬間は)うれしかったです。それに、あのときの先輩たちの気持ちが分かったというか。先輩たちの思いも背負って戦いました」と、静かに、感慨深げに勝利をかみしめた。

 

 個人としては「全然ダメだったので、明日は頑張ります」(星川)と笑ったが、下級生に伸び伸びとプレーさせる余裕が感じられ、謙遜していたスタッツの面でも14得点、9リバウンドと申し分ない。この試合の主役だったかと言うと、そうではなかったかもしれないが、洛南の柱は間違いなく星川なのだ。

 

 2回戦は豊見城(沖縄)を1点差で下し、波に乗る福島東稜(福島)が相手となる。苦い経験から2年、心身ともに成長した星川と洛南の戦いは続いていく。

 

(月刊バスケットボール)



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