月刊バスケットボール6月号

【ウインターカップ2019】男子展望 福岡第一のバック・トゥー・バックか、東山や開志国際らが令和初の冬で頂点に輝くか!?

 男子の優勝候補の筆頭は昨年のウインターカップと今夏のインターハイと、共に圧倒的な強さで頂点に駆け上がった福岡第一(福岡県①)と見て間違いないだろう。超高校級の司令塔#8河村を起点に、バックコートでコンビを組む#46小川、インサイドの大黒柱#60スティーブが内外から得点を重ねる。彼ら3人に#54内尾、#13神田を加えた3年生5人で構成されるスターターを引っ提げ、福岡第一史上初のウインターカップ連覇を狙う。

 

 その福岡第一の対抗馬の筆頭に挙げられるのが左下ブロックから優勝を目指す東山(京都府①)だ。新潟県で行われた交歓大会『胎内カップ』で今年負けなしだった福岡第一に唯一、土を付けた。昨冬、福岡第一に敗れた悔しさを胸にスタートした新チームは現状、打倒・福岡第一に最も近い存在と言っていいだろう。東山が戦うブロックにはインターハイ3位の報徳学園(兵庫県)、実力者がそろう実践学園(東京都①)など、一筋縄ではいかない相手が多いものの、両校が勝ち上がった末に準決勝で相まみえることとなれば、非常に興味深い対戦となる。

 

福岡第一⑧河村と東山⑪米須の対決が実現すれば激闘必至のカードとなるはず

 

 逆の山、右上ブロックの2回戦では下位回戦で最大の注目カード、開志国際(新潟県①)vs.福岡大附大濠(福岡県②)の対決が予想される。昨年の夏以降、全国の舞台を経験していない大濠にとっては1回戦の海部(徳島県)戦をしっかりとモノにすると共に会場の雰囲気に慣れ、大一番に臨みたいところ。対する開志国際は初戦とあって試合の入りが重要。両校共にこの大一番を制することができれば一気にトーナメントを駆け上がる可能性も。このブロックには他にも、2年ぶりの登場となる洛南(京都府②)、夏のベスト16である関西大北陽(大阪府)、虎視眈々と上位進出をもくろむ延岡学園(宮崎県)と不気味な存在が多い。

 


④髙木が引っ張る開志国際は初戦から福岡大附大濠と当たる可能性が高い

 

 そして最も混戦が予想されるのが右下ブロック。インターハイでシンデレラチームとなった北陸(福井県①)をはじめ、#8山﨑らを軸に大型ラインナップで冬に挑む明成(宮城県①)、世代最高の選手の一人、#8三谷を擁する広島皆実(広島県①)、昨冬ファイナリストの中部大第一(愛知県①)などの強豪がズラリ。1回戦では互いにハイスコアバスケットで勝負する羽黒(山形県)土浦日本大(茨城県①)が対戦するなど、下位回戦から激戦必至なブロックだけに、上昇気流に乗ったチームがそのままブロックを突破しても不思議ではない。

 

 今大会も福岡第一を中心にトーナメントが進んでいくことは間違いないが、打倒・福岡第一を目指して各校が最終決戦に挑んでくる。高校最大にして最後のタイトルマッチでチャンピオンに輝くのはどのチームか。その過程で各選手、チームが紡ぐ多くのドラマをしっかりと目に焼き付けたい。

 

(月刊バスケットボール)



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