月刊バスケットボール5月号

NBA

2018.05.25

“ドリブルの回数からシュート” “ディフェンスとの距離別シュート率”などから見るNBAスタッツの細かさ

先日はNBAの細かいスタッツの面白さで、プレーの種類別の平均得点を紹介したが、今回はさらに細かい部分まで踏み込んでみたい。
先日はNBAの細かいスタッツの面白さで、プレーの種類別の平均得点を紹介したが、今回はさらに細かい部分まで踏み込んでみたい(※アイキャッチはNBA.comのスクリーンショット)。   “ピック&ロール”でボールハンドラーがどのぐらい得点しているのか、などはチームオフェンス(ヘッドコーチの考え方)による部分が大きいが、詳細なプレーはプレーヤー個人の特徴が大きく表現されている。   【ドライブ】 ※平均回数 ②ジェームズ・ハーデン(ロケッツ)21.3 ⑥レブロン・ジェームズ(キャブズ)16.4 ⑧クリス・ポール(ロケッツ)14.5 ⑯ジェイソン・テイタム(セルティックス)10.7   これもイメージと合致している。ハーデンやポール、レブロンなどは確かにドライブの回数が多い。ハーデンとポールを合計すると、ロケッツは1試合平均で約36回もドライブしていることが分かる。   【キャッチ&シュート】 ※平均得点 ①クレイ・トンプソン(ウォリアーズ)10.3 ⑤カイル・コーバー(キャブズ)7.3 ⑦ジェイレン・ブラウン(セルティックス)6.8 ⑫ステフィン・カリー(ウォリアーズ)6.1 ⑬P.J.タッカー(ロケッツ)6.0 ⑯ケビン・デュラント(ウォリアーズ)5.6 ⑳ケビン・ラブ(キャブズ)5.3   これは項目名のとおり、ボールをキャッチしてすぐにシュートを放ったプレー。クイックモーションのトンプソンがダントツの平均2桁得点を記録している。アウトサイドシュートの上手なプレーヤーが多いのは言うまでもない。
キャッチ&シュート(0ドリブル)は当然、ドリブルをしないのだが、NBAではさらに細かく“ドリブルの回数からシュート(DRIBBLES)”の確率まで分かる。つまり、相手チームはドリブルをさせるべきか否か、その確率と回数の関係までを把握してマッチアップするプレーヤーに指示しているのだ。   ちなみに、トンプソンのシュート確率は ★0ドリブル…56.1% ★1ドリブル…43.3% ★2ドリブル…48.0% ★3~6ドリブル…44.4% となっている。数字だけをみると単純に、『キャッチ&シュートをさせず、ドリブルを3ドリブル以上させる』ことが、シュートの確率を下げることにつながる。   また、ドリブルの回数だけでなく、“ディフェンスとの距離別シュート率(CLOSEST DEFENDER)”もデータとして見ることができる。   ★6フィート(約1.8m)以上のワイドオープン…60.0% ★4~6フィート(約1.2~1.8m)のオープン…28.1% ★2~4フィート(約0.6~1.2m)のタイト…26.9% ★0~2フィート(約0~0.6m)のベリータイト…0%(1本も放っていない) という数字になった。ワイドオープンになるディフェンスと約1.8m以上でトンプソンにシュートを放たせると6割入れられてしまう! 逆に、約60cmという非常にタイトな状況でディフェンスがいる場合はシュートしないことも数字に出ている。   当然、チームはこれよりも細かいデータを駆使して対戦するのだが、われわれがウェブから入手できる情報だけを見ても、プレーヤーの傾向、得手不得手、確率の高い低いが明確に分かるのだ。   (月刊バスケットボール)

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