月刊バスケットボール8月号

辻が3Pシュート8本と大爆発するも 日本は1点差でチャイニーズ・タイペイに敗退

FIBAワールドカップ2019アジア地区1次予選 日本×チャイニーズ・タイペイ

1Qでまず流れをつかんだのはチャイニーズ・タイペイ。#50デイビスがリング下、ミドルからステディにショットを沈めると、それに呼応するかのように#9チェンもミドル、3Pシュートを決め、一時はチャイニーズ・タイペイが13‐5とリードを広げていく。対する日本はシュートがリングに嫌われなかなかリズムがつかめなかったが、#11宇都からのロングパスを受けた#35ブラウンがダンクを決めたところから盛り返し、終了間際に#6比江島が3Pシュートを決めたことで、12‐17と何とか食らいついた状況でこの1Qを終える。   そして2Q、ここで日本に流れを呼び込んだのが#3辻。開始早々3Pシュートを決めると、その後、相手のチェックを受けながらもさらに3本の3Pシュートを沈める大活躍で、日本は逆転に成功。また#43永吉がリング下だけでなく、ミドルからもシュートを決めたのも大きく、日本は35‐29と前半を6点リードで折り返すことに成功する。   その後の3Q、チェンの3Pシュートなどでチャイニーズ・タイペイが40‐39と逆転に成功するも、日本も比江島、#15竹内が入れ返すなどで一進一退の状態に。3Pシュートに関してもチャイニーズ・タイペイ#11ファンが2本を決めれば、日本も辻が2本入れ返すなどし、3Qを終えて51‐49とチャイニーズ・タイペイがわずかにリードして4Qへ。 迎えた勝負の最終Q、チャイニーズ・タイペイはここまで目立った活躍をしていなかった#フーがユーロステップを使うなどで果敢にリングにアタック。そのフーの8得点などで残り3分5秒の時点で65‐58とリードしたチャイニーズ・タイペイに対し、日本は比江島のドライブなどで追いすがり、残り16.6秒で66‐68と日本が2点を追う状況からはファウルゲームに。プレッシャーのある中、チャイニーズ・タイペイは2本ともフリースローが入れることができないことが2度続き日本は追い付くチャンスだったが、日本も#7篠山がフリースロー1本目を外すなどしたため、2本目をわざと外してオフェンスリバウンドを取ることを狙ったがこれが成功せず。それでも最後の最後で辻が3Pを沈めホームで戦う日本としての意地を見せたが、69‐70と1点が届かず敗退。   これで3戦を終えて3敗と、グループBで最下位となってしまった日本。この敗戦を「選手は100点の努力を見せようと頑張ってくれたが、勝つまでにはいかなかった。相手を70点に抑えたディフェンスは良かったが、オフェンスではもっと効果的に得点していくことが必要だった」と振り返ったラマスヘッドコーチ。   そして過去2戦、試合に出れなかった辻は「『これが代表の最後のチャンス』だと思って、『絶対にものにしてやろう』と思っていた気持ちが出たことが、3Pシュートを決めることにつながったと思います」とコメント。最後に1点差に追いついたシュートも「『空いたら打つ』という強い気持ちでした」という。   今回の負けで1次予選突破の見通しが厳しくなった日本だが、3日後にアウェイで戦うフィリピン戦も、選手全員が今回の辻のように強い気持ちを持てば勝利することができるはず。『負けられない試合を負けた』という事実は、もう覆すことはできない。前を向くしかないのだ。   (月刊バスケットボール)    


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