月刊バスケットボール6月号

NBA

2017.12.23

今週の逸足(CLASSIC KICKS)Vol.4-1

  Vol.4 Nike Air Zoom Huarache 2K4 All Star ナイキ エア ズームハラチ SK4 オールスター   文=岸田 林   ★ナイキが用意した初のコービモデル 2003-04シーズンのNBAは世代交代の年だった。前年の02-03シーズンはさながらマイケル・ジョーダン(当時ウィザーズ)の“引退興行”の様相を呈していた一方で、彼と入れ替わるように、ドラフトではレブロン・ジェームズ(現キャバリアーズ)、カーメロ・アンソニー(現サンダー)、ドウェイン・ウェイド(現キャバリアーズ)ら将来のオールスター選手たちが数多くプロ入りし、頭角を現しはじめていた。   この年レイカーズは2年ぶりの優勝を狙うべく、ゲイリー・ペイトン(元ソニックスほか)、カール・マローン(元ジャズほか)のベテラン2名を補強。万全の体制でシーズンに臨んでいた。ところが、コービー・ブライアントにとって、この年は正念場だった。主軸として00年から02年までの三連覇を達成したものの、栄誉にあずかるのはチームメイトのシャキール・オニール(元レイカーズほか/以降シャック)ばかり。前年はシャックの負傷欠場もあり、個人としては平均30.0得点を残し過去最高と呼べるシーズンだったが、チームが4連覇を逃したことで自己中心的にも見えるプレイに批判が集まっていた。また悪いことに、この時期プライベートでのスキャンダルが大きく報じられ、彼の好青年としてのイメージが一気に悪化(後に裁判で和解している)。“ポスト・ジョーダン”としての地位も危ぶまれた。   コービはまた、シューズ契約でも問題を抱えていた。00年、初めてNBAファイナルに進出した彼が着用していたのは、プロ入り前に契約したアディダスの「THE KOBE」。ジョーダンがそうであったように、翌年はコービも新しいシューズでプレイするはずだった。だが当時、アディダスとの間でシューズづくりについて意見の相違があったため、翌01年のNBAファイナルでも「THE KOBE」を、さらに02年も申し訳程度にレイカーズカラーを取り入れた同モデルを着用。結局このカラーは市販すらされず、シーズン終了後、アディダスとの契約終了が発表された。この時点でナイキとの契約は既定路線だったものの、彼の足元はしばらく固定されない状態が続く。02-03シーズン、コービはリーボックの「クエスチョン」や「アンサー4」、ナイキの「エア ジョーダン シリーズ(3、8、11)」の復刻モデルなどを着用していた。 (つづく)   写真=中川和泉 (月刊バスケットボール2017年4月号掲載)

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