【インカレ2017】男子決勝の見どころ
2003年以来の決勝進出となった大東文化大は、今年度から1部に復帰したチームだ。下級生主体だった2013年に2部降格を味わい、2014年は2部1位で入替戦に臨んだが、当時専修大の4年生だった田代直希(現・琉球)に残り9.3秒で逆転3Pシュートを決められ、涙の2部残留。翌2015年は2部4位のふがいない結果に終わり、2016年に2部全勝優勝を果たしてようやく1部に復帰した。 今年のリーグ戦は、序盤こそ星をこぼして1部の洗礼を受けたが、2巡目に持ち直し、最終日の結果で3位にランクイン。リーグ戦を通して、柱となる#15ラミーンや#12熊谷がケガで欠場する試合があっても、それを補う選手層の厚さが光る。どこからでも点を取れる布陣が、未知の世界である決勝でも躍動するか。 一方の筑波大は、昨年までインカレ3連覇を果たし、今年も春の関東トーナメントを制して“絶対王者”とうたわれる存在だった。ところが、エースの馬場雄大(現・A東京)がチームを離れ、キーマンとなる#14波多が膝のケガで戦線離脱。伸び盛りだったビッグマン#65玉木のケガもあってポジションも定まらない中、チームがかみ合わずにリーグ戦は9勝9敗の5位という厳しい結果となった。 だが、リーグ戦を経験して#88牧や#8菅原、#10村岸といった下級生が成長を見せ、さらには玉木が復帰するなど好材料は揃っている。また、一発勝負のトーナメントでは過去3年間のインカレ優勝経験が大いに生きているようで、「今大会、試合の入りがいいのは今までの経験があるから」と吉田監督。準決勝で第1シードの拓殖大から劇的な勝利を挙げたことも、チームの追い風になるだろう。
この大東文化大と筑波大、リーグ戦の成績では76−56、83−81というスコアで大東文化大が2勝しているが、インカレ直前に行った練習試合では筑波大が勝利している。決勝に向けて「モッチ(ラミーン)をいかに止めるか」と吉田監督が言うように、インサイドの攻防がカギを握るだろう。筑波大はラミーンのような留学生はいないが、#17杉浦(195cm)や#11増田(191cm)といったフォワード陣の高さでは上。そのため大東文化大は#91ビリシベや#0葛原らが、リバウンド等で今まで以上にハッスルする必要がある。特に大東文化大のキャプテン・葛原は、福岡大附大濠高出身で、大濠出身者が4名(青木、増田、杉浦、牧)いる筑波大相手に奮闘が期待される。 初優勝の懸かる大東文化大と4連覇の懸かる筑波大。勝利の女神がどちらにほほ笑むのか、見逃せない一戦は本日14時試合開始だ。 (月刊バスケットボール)