月刊バスケットボール5月号

本日WC1次予選開幕!富樫選手&宇都選手インタビュー

 

いよいよ本日11月24日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2019アジア地区1次予選」のフィリピン戦が19時TIP OFF! 相手は14年間勝てていない強敵ではあるものの、指揮を執るラマスヘッドコーチは「格上だと思ってリスペクトし過ぎては、何もできません。歴史を変えようという考えを持ち、自信を持ってコートに立って、全てのプレーにファイトしたい」と意気込みを語る。ここでは21日に行われた公開練習での、#2富樫勇樹選手(千葉)、#11宇都直輝選手(富山)のインタビューを紹介しよう。    

「チームが苦しいときこそ怖がらずに打って決めたい」◆#2富樫 勇樹 167cm/65kg/PG/千葉ジェッツ   ーーホームでフィリピンを迎え撃ちます。 「ホームでやれるというアドバンテージはあると思いますし、相手のフィリピンも、長く勝てていない相手とはいえ、絶対に勝てない相手ではないと思っています。アジア地区1次予選の1試合目なので、これから勢いに乗るためにも非常に重要なゲーム。ずっとこの日のことを意識して準備してきたので、応援してくださる皆さんに、今までとは違うゲームを見せられるように頑張りたいと思います」   ーープレー面ではどんなところがポイントになりそうですか? 「フィリピンとは戦ったことはありませんが、映像などの印象ではすごくオフェンシブなチームで、ファストブレイクを好んで思い切りのいいシュート、結構タフなシュートをどこからでも打ってくる。そこをチームとしてしっかり止めなければと思っています。ガード陣も、1対1がすごく強いので、ディフェンスでしっかりチームに貢献できればと。また逆に、フィリピンの選手はみんなオフェンスのマインドを持っているので、ディフェンスでルーズなところがある印象です。例えば戻りがあまり早くないとか、ショットクロックの最後の方や、ボールを回していくにつれ崩れていくところがあるので、そこを自分のスピード、トランジションの速さで突いていきたいです。とにかく試合が終わったときに1点でも勝っているように、自分にできることをすべてしたいと思います」   ーー8月に行われた「FIBA ASIAカップ2017」のときと比べて、ラマスヘッドコーチのバスケットに対する理解は深まっているでしょうか。 「ASIAカップはヘッドコーチが来日して10日間くらいで、実際、練習を数回してそのまま大会に臨む感じでした。でも今はあのときに比べて、しっかり詰めなければいけないところは詰められたと思います。もちろん、リーグ戦中の時間も限られる状況で、いろいろヘッドコーチの求める練習の強度やメニューを全部やれたわけではなく、いろいろ省きながらだったとは思いますが、ASIAカップのときより理解度は全員高まっていると思います」   ーー富樫選手自身、Bリーグでは特に11月に入って調子が上がっているように見えます。それは今回の1次予選に対する意気込みも影響しているのでしょうか? 「そうですね。Bリーグ2年目が始まったときから、『11月24日の代表戦』というのを一つの目標というか、そこに自分のコンディションを合わせて上げていくようにやってきました。その成果が、自分の好調につながっているのかなと思うので、この調子で試合に臨みたいです」   ーーポイントガードとして、苦しい状況を打破する、率先して引っ張っていく、ということが求められていると思いますが。 「はい。それは今のBリーグの試合でも、すごく意識して取り組んでいる部分です。ASIAカップで言えば韓国戦(ベスト8決定戦)がすごく思い出されるのですが、3Qで一時7点近くリードしながら、そこから0-20くらいのランをされて敗れてしまいました(68-81)。あそこで2点でも3点でも1本シュートが決まっていれば、流れもあそこまで崩れなかったと思います。あの反省を受けて、ああいう苦しい状況、チームとしてうまくいかない状況に陥ったときに、1、2本の個人的なプレーで流れを変えられるようにしたいなと。そこを今、Bリーグでも意識していて、チームが苦しいときにシュートを怖がらず打って決めることを心掛けてきました。このワールドカップ予選でもそういう時間帯が必ず出てくるだろうし、そのときは個人の力が必要になると思うので、少しでもそこでチームを助けられたらなと思っています」   -------------------

「国際試合の違いに早めにアジャストしたい」◆#11宇都 直輝 189cm/77kg/PG/富山グラウジーズ   ーー宇都選手自身、A代表としては初選出です。国際試合はいつぶりですか? 「たぶん大学ぶりじゃないですか。大学4年(2013年)のユニバーシアードが最後だと思います」   ーーそれだけ久しぶりで、不安な気持ちはありませんか? 「不安より、楽しみのほうが大きいですね。不安もないと言ったら嘘になりますけど…。国際試合って、笛の感じも日本とは違うだろうし、いつも対戦している日本人とはスティールの伸びの違いなどもあると思います。そういう細かい違いに、できるだけ早くアジャストできればと。それはなかなか自分で体感しないと分からない部分があると思うので、コートに出てしっかり対応したいです。でも不安だからと言って、例えば試合に出て1発目に仮にスティールされたとして、そこで萎縮してしまうと自分のプレーが出せないと思うし、代表に選ばれた意味がありません。そこはしっかり強いメンタリティを持って、『一回くらいスティールされても切り替えよう』というような心の準備をして、挑んでいきたいと思います」   ーーフィリピン戦ではどんなプレーをしたいですか? 「得意なトランジションに持ち込んで、早い展開のバスケットを目指していきたいです。あとはマッチアップするガードをしっかり止めること。僕の役目は、ガードをしっかり止める→リバウンドを意識する→速い展開に持ち込む、ということの繰り返しだと思いますし、それで流れを良くしていきたいですね。まだ分かりませんが、僕の予想ではベンチから出ることになると思うので、そこでチームの流れをガラッと変えられればいいなと。ガードをしっかり止める、ということでは、恐らく富樫選手とか篠山選手が最初にマッチアップするので、そういうのを見て短い時間でもアジャストできればいいなと思っています」   ーー例えば、流れが悪いときに交代で試合に出るシチュエーションだったとして、宇都選手の役目はなんだと思いますか? 「流れが悪いときって、だいたい雰囲気も良くなかったり、アグレッシブじゃなかったり、簡単なミスが続いたりしている時間帯だと思います。そういうときこそ、僕が出たらまずディフェンスを頑張る。一人がファイトすると、周りもつられてファイトするものだと思うので、僕が先陣を切って相手とファイトして、リバウンドから速い展開に持ち込んで、流れを徐々にいい方向に持っていければ一番いいのかなと思います。僕が積極的にゴールにアタックすることで、周りのシューターを生かしていきたいです」   (月刊バスケットボール)

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