月刊バスケットボール5月号

【南東北インターハイ2017記者の目】声援のチカラ

南東北インターハイ2日目は男女ともにシード校が出場。男子は昨年優勝の福岡第一、同準優勝の東山が勝利を上げる中、関東王者の市船橋が飛龍に敗戦。そのほかにも、上位進出が期待されていたチームが敗れるなど、実力伯中の戦いが続いている。 一方女子は岐阜女、桜花学園などが順調に勝ち進み、昨年のインターハイとウインターカップで対戦した昭和学院と札幌山の手が今大会でも対戦。昭和学院が会心の出来で札幌山の手を下し、3回戦に進出した。 男子2回戦で東海大付諏訪と対戦した広島皆実は、「1回戦とこの2回戦がヤマでした」と藤井コーチは言う。 確かになかなか主導権を握れず、東海大付諏訪のエース#5寺澤に得点を許し、ビハインドで後半を迎えていた。それでも87‐66で勝利したが、逆転の要因は2つある。

まずは#7大道のディフェンスだ。元々、藤井コーチからディフェンスは買われていて、後半は189cmの寺澤にマッチアップ。足を使ったしつこさで寺澤の外回りの動きを封じ込めた。そして10cmのミスマッチに関しては、「周りを巻き込め」と指示を飛ばした藤井コーチの思惑どおり、全員でカバーし、弱点を見事に埋めてみせた。 そしてもう一つが、ベンチ、応援席から発せられた声援。 広島皆実は決して大人数ではないが、息の合った声とパフォーマンスで、昨年のウインターカップで新設された「応援大賞」を受賞。「励みになりました」(藤井コーチ)という賞で、この試合でもスタンド、ベンチにいる選手が40分間、絶えず声援を送り、コート上の選手たちに活力を与え続けた。 藤井コーチは言う。 「応援が優秀であるならば、コート上でも優秀であろうと話しました。これまでのその両輪でやってきたので、選手の応援がコート上の選手たちに勇気を与えてくれました」 昨年は地元インターハイを戦い、学校関係者を含めた大声援を受けながらも初戦で敗退。そのため今大会は“昨年の恩返し”の思いを胸に試合に臨んでいた。今年はその大声援はないし、人数は少ないけれど、それに匹敵するほどの声援がある。 そんな一丸となって発せられる声援が、コート上の選手たちの大きなチカラになっているのだ。

(月刊バスケットボール編集部)

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